時代劇ファンには衝撃的なニュースが今週流れた。
再来年にあの鬼平犯科帳が映画化されるに際して鬼平役を松本幸四郎が演じるのだという。
ん〜、無理だろ。これ。
フジテレビ系列で放送された鬼平犯科帳シリーズは他の時代劇の追随を許さない優れたドラマ展開と個性的な俳優陣で過去に例をみない魅力をもっていた。
中でも長谷川平蔵を演じる中村吉右衛門は原作者の池波正太郎をして感動させた役作りで今や鬼平といえば吉右衛門。
その国宝的役作りはかつての松本白鸚、萬屋錦之介、丹波哲郎バージョンを忘れさせてしまうほどのインパクトがあった。
もはや長谷川平蔵の厳しく優しく、それでいて粋な雰囲気を生み出すことは他の役者には非常に難しいものになっているといっていい。
そこへ大胆にも松本幸四郎がその役を引き継ぐのだという。
松本幸四郎その人が役者としては人気も演技力も力不足。
そのような俳優に人気キャラクターを演じる勇気があったとは。
びっくり仰天なのであった。
この役にハマった役者以外がその役を演じることの難しさは、例えば映画「男はつらいよ」の車寅次郎を渥美清以外が演じるのはほぼ不可能であることと同意義と言えるのかも知れない。
この人だからこの役が、とうキャラクターを他の人が演じて失敗している例は少なくない。
松本幸四郎の長谷川平蔵。
かなり無理があるように思うのだが、いかがか。
鬼平は吉右衛門ですね。
この吉右衛門版鬼平犯科帳は脇役も良いのが重要なポイントです。
彦十の江戸家猫八、同心の木村忠吾の尾美としのり、密偵の粂八の蟹江敬三、大滝の五郎蔵の綿引勝彦、おまさの梶芽衣子、そして奥方の多岐川裕美など他の演者は考えられませんね。
ゲストでも蓑火の喜之助の島田正吾、笹屋のお熊の北林谷栄など、もう実現不可能な役者さんが登場していました。
吉右衛門も年齢を考えると新作は難しいんでしょうね。
実際の長谷川平蔵は50歳で亡くなっているので。