<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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年末。
久しぶりに嵐電に乗った。

嵐電は京都市内に残る唯一の路面電車だ。
路線には四条大宮から嵐山とを結ぶ嵐山本線。そして嵐山本線の途中駅である帷子ノ辻駅から北野白梅町を結ぶ北野線の2路線がある。
ちなみに帷子ノ辻は「かたびらのつじ」と読む。
京都の地名はなんだか小むづかしい。

私が今回乗ったのは四条大宮から嵐電天神川までのわずか10分ほど。
とある交流会に出席するための利用であった。
10分間ではあったものの、それになりに京都の下町を楽しめる風情があったような気がしている。

四条大宮駅は阪急電車京都線との乗換駅だ。
阪急は四条通の地下を走り、嵐電は大宮通りと四条通の南西角に駅がある。
ちなみにこの四条大宮駅前には京都餃子の王将の第一号店があって、私はなぜかここへ来ると大宮定食というこの店のオリジナル定食が食べたくなる。
もちろんこの日も大宮定食を食べたのであった。
内容はシンプルだ。
ご飯、味噌汁、唐揚げ、あんかけ卵焼き、肉団子、サラダ、という文字だけ表現するとかなり豪華な感じなのだが、要はおかずがちょぼちょぼと入った中華定食なのである。
この定食を前回食べたのは10年以上前であった。
その時も嵐電に乗る予定で、あの時は嵐山まで出かけたときなのであった。
10年前に食べたとき、確か大宮定食はたったのたったの500円なのであったが、今回は700円近くもして、王将とて物価の上昇には勝てないのかといささか残念に思った。
大宮定食が他の定食と似たような値段になってしまっては大宮定食の価値をそれほど感じられず、もしかすると次回は大宮定食を注文しないだけではなく、餃子の王将1号店そのもの行かなくなるのではないかと思った。

で、値上げされていた大宮定食で腹を満たした後、嵐電に乗った。

嵐電に乗るとしばらく四条通の南側の建物に挟まれた専用線を走る。
このあたりには壬生寺があったりするので新撰組ゆかりの地である。

最初の停車駅は西院だ。
この西院。
読み方が京都らしく小難しい。
何が小難しいかというと、阪急電車では「さいいん」と読むのだが、嵐電では「さい」と読む。
なんとなく、こばやしまことのマンガ柔道部物語の挨拶みたいだ。
どちらが正解なのか私は全く知らないが、そのうち暇ができたら調査してみたいと思っているところだ。

ここで嵐電は大きく進路を北に向け四条通を渡る。
渡ったすぐのところに車庫がある。
路面電車の車庫はなんとなく鉄道模型の車庫みたいで趣がある。
さらに少しく走ると道路の上を走ることになる。
「これから道路の上を走行しますのでご注意ください」
みたいなアナウンスが流れるのだ。
久しく路面電車に乗ったことがないので最近はこういうアナウンスがどこの路面電車でも流されるのだろうか。
近々地元の阪堺電車でチェックしてみたいと思った。

電車はやがてノーベル賞受賞者田中耕一さんを排出した島津製作所本社前を通り、再び専用線に入る。
私が下車した嵐電天神川駅はこの専用線に入って最初の駅だった。
天神川駅は地下鉄東西線との乗り換え駅で、バスターミナルや右京区役所なんかもあってかなりモダンなところだ。

この嵐電は京福電鉄が経営する鉄道線で、もともとは北山を越えて大原を越え、鯖街道と呼ばれる古道をつっきって福井県まで通じる予定であったのだが、野望はついに実現せず。
現在に至っている。

などということを考えながら利用したのだったが、やはり走っているところが観光地と住宅地が混在しているところなので車内は結構混雑していた。
インバウンドの影響もあるのだろう。
今後も廃止されるような悲しい運命は巡ってこない、どころか今話題の都市交通システムLRTとして走り続けるのだろう。
文化の首都・京都にマッチした路面電車「嵐電」なのであった。


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