<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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川之江ジャンクションから進路を変え、いくつものトンネルを潜り抜け高知自動車を南へ走る。
景色を楽しむことがほとんど不可能な旅は退屈でうんざりする。
オレンジ色の光の他、あらゆる色彩を奪い去る橙色のナトリウムランプ.
まるで退屈な実験映画を見ているようで、こういう洒落っ気の無いランプを開発した技術者のセンスを疑いたくなる。

それだけに、最後のトンネルを潜り抜けて、陽光を浴びてキラキラと輝く太平洋の広大な景色が目に飛び込んできたときの感動はひとしおだ。

南国高知への旅は、このような素晴らしい景色を高台を走る高速道路から眺めて「うぉ~」と言うところから始まる。(但し晴れていることが条件ですけど。またJRや飛行機なんかでも違います)

有川浩の「県庁おもてなし課」(角川書店刊)は高知が舞台のラブコメ経済小説。
「阪急電車」を読んで以来のファンなのだが、この作品は文句なしに楽しめる痛快小説なのであった。
ネットの評価を読んでいると概ね得点が高い。
一部、公務員の方々には評判が悪いようだが、実際のところ本書を読んでいると、
「行政のやっていることって、このとおりなんだよな」
と納得してしまうところが少なくないので公共の職についてる人の拗ねたような批判は的はずれ。

ある意味、そんな批判を浴びるほど、リアリティあふれる面白さが存在しているのだ。

この小説を読んでいると、何度か訪れた高知独特の雰囲気を思い出して、それもまた面白い。

私の初めての高知訪問は会社の慰安旅行なのであった。
高知市のこじんまりしたところ、食べ物、とりわけ清酒のおいしさに度肝を抜かれたのを記憶している。
「さすが龍馬の生まれ故郷」
と訳の分からない納得をしたことも記憶している。

それに高知県人の県民性なのか、カラッとしていて一直線で明るいのがまた良かった。
私はその時の宴会で人生始めて浴びるように日本酒(その時は司牡丹)を飲んで(約2升)しまったのだが、あくる朝、
「お客さんはいごっそうな方じゃ」
と仲居のオバサンに真面目に褒められ感動したこともまた、酒豪の多いと云われる高知への好印象として残ったのであった。

以後、家族と2回訪れているが、どちらも夏で、南国独特の青い空、輝く海、潮風と山の緑が極めて印象的な土地で、もちろん食事、とりわけ海の幸と酒が美味く、こんな良いところが大阪から5時間のところにあってバチが当たらないだろうかと、妙な感覚に陥ってしまうところでもあるところなのだ。

ただし、夏の高知の暑さは日本のバンコクと言っても過言ではない大阪のそれをはるかに上回りる。
しかしその厳しささえ、後になると「高知のめっちゃ暑いけど夏は楽しいね」と思えるダイナミックさがあるのだ。

「県庁おもてなし課」
本書を読んでいると、海パンと虫とり網を持ってまたまた高知に行きたくなってくるのだ。


(写真:安芸から南国へ向かう途中に見える景色)

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (ダル)
2011-06-27 13:42:56
あぁ行きたいなぁ。
私はあと2年で還暦 記念にお遍路に行こうと遍路積立も3年少々、ちょっとした金額になってるが、さて、それまで家をあけてもいい身分になっていたい。
 
 
 
四国はいいですよ (監督@とりがら管理人)
2011-06-27 19:14:26
ダルさん、こんにちわ。

四国は旅するには、とっても良いところです。
お遍路文化があるためか、ホスピタリティは他の地域を圧倒していると感じることもあります。
安い旅館もお遍路さん向けの宿なら、門限とかがあるかも知れませんが、気分よく宿泊できます。

東北地方からだと愛媛の松山あたりまで飛行機でひとっ飛びが楽ちんかもしれませんね。
 
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