<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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外出が難しい非常事態宣言下。
家で過ごす時に見るビデオに懐かしの東映アニメもなかなかいい。

高畑勲や宮崎駿がその経歴をスタートさせたことで有名な東映アニメ。
その最大の代表作は「長靴をはいた猫」であることは間違いない。
井上ひさし、山元護久のひょっこりひょうたん島コンビが脚本を担当。
監督は名匠と言って良い矢吹公郎。
そして原画担当の一人が宮崎駿。
コミカルかつダイナミックなそのストーリー展開は世代を超えて楽しめる日本のアニメの金字塔でもある。

同様に東映アニメには名作が少なくなく、今回久しぶりに見た「わんぱく王子の大蛇退治」もそんな名作の一つなのである。
この作品は監督は芹川有吾。
矢吹公郎と後にジブリを率いた高畑勲が演出助手で参加している。

物語は古事記を題材にスサノオノミコトを主人公にした神話のアニメ化作品である。
やんちゃを働き姉である天照大神に叱られ出雲の国へ行くスサノオノミコト。
そこで住民の命を脅かし多くの災いをもたらしていた8つの首を持つヤマタノオロチを退治して大団円というものだ。
今なら朝日新聞や毎日新聞を信仰する左巻きの人たちが、
「こんなウソの神話を子供向けアニメにするとはけしからん!」
と言い出しそうな作品なのである。

でも実際は実によく出来たストーリーでわかりやすく、ぜひ子供に日本の神話の世界を紹介しくなる作品でもある。
ロード・オブ・ザ・リングだとかハリーポッターだとかを見て喜んでいる場合ではない。
日本には素晴らしい神話のアニメが存在することを是非子どもたちに見せたいと思う作品なのだ。
そして伊勢神宮にお参りする時は、
「あそこに祀られているのがわんぱく王子のお姉さんだよ」
と教えたいくらいだ。

今回このアニメを大学生の娘と一緒に見たのだが、娘の感動はひとしおなのであった。

私の娘なので左巻きではない。
イザナギ・イザナミの尊が出てきて日本列島とおまけの淡路島を作ったという話はもちろん知っている。
だから心配はしていなかったのだが、天岩戸のシーンで派手な宴会に興味を示した天照大神が岩戸を少しだけ開けて外の喧騒を見てみたい、というところで、

「ほんまにこんなことがあったんかな」

と言ったのには驚いたのであった。
知らないというのは親の責任でもある。
そこで今更ながら、

「これはね。日食を象徴的に表した物語、と考えられているんだよ」

と教えたのであった。
さらに、

「ヤマタノオロチは今年ね、コロナウィルスの前に行ってきた島根県の出雲。あの蕎麦を食った出雲大社のあったところの治水工事のことで、その工事の指揮をとったのがスサノオノミコトなんだよ。出雲は大和と対抗する勢力だったんだけど平和裏に融合したことをこの物語は伝えてるんだ。スサノオノミコトがいなかったら竹内まりやはいなかったかも知れないし。」

と付け加えなければならなかった。

今回のコロナウィルスの外出自粛要請を見てもわかるように日本の教育制度は崩壊しているのかもしれないと思うとともに、もっと娘を神話の世界に導いてもいいのではなかったのか、と思った次第あった。

ということで、神話とは関係ないが映画を見た夜のブラタモリが「奈良・飛鳥」であったことは偶然である。


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