<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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ついにその時が来てしまった。
カメラ雑誌の老舗・月刊「日本カメラ」が5月号をもって休刊されることになったのだ。
で、出版元はどうなるんだろうと思っていたら日本カメラ社も会社を清算するという。
事実上の廃刊、廃業なのだ。

これから写真・カメラ雑誌はどうなってしまうのか。
その行き先が大いに気になるところだ。

そもそもデジタルカメラが普及し、コンパクトカメラの分野がスマートフォンにとって代わってしまった時点でカメラ雑誌の命運は潰えていたのかもしれない。
というのも写真はすでにプリントして紙で見るよりも液晶画面で見ることが主流になり、写真の共有もプリントした紙をやりとりするのではなくデータを送受信することによって各々のデバイスで鑑賞することが普通になってしまっているからだ。
このような状況で紙に印刷された写真を手本にする次世代の人たちは多くはないだろう。
なにかの参考にする写真は雑誌のカラーグラビアからではなくインスタグラムやPinterestといって画像サイトからというのが手軽で無料。
そのうえ撮影者本人も気軽に参加できるので投稿したら十中八九ボツにされるカメラ雑誌よりも大いに魅力的だ。

おまけに雑誌の重要なスポンサーであるカメラメーカーも広告の打ち方が変わった。
雑誌広告を載せるより売りたい製品で撮影した実際のデータをネット上に公開してアピール。
調べている顧客の方も、
「ああ、こんな感じに撮れるのか」
と納得しやすい。
雑誌で仕様やサンプルをチェックするのは雑誌代もかかり優越性がない。

また一つの主なスポンサーであるフィルムメーカーはもはや写真の世界ではニッチな分野になってしまったのだ。
世界トップのコダック社はもう何年も前に倒産。
二位の富士フィルムは写真フィルムは片手間事業になって今は総合化学メーカーに大変身。
フィルムを広告するなんてほとんど無意味の世界になっているのだ。

とはいえ、日本カメラは昨年休刊したアサヒカメラと並ぶメジャー雑誌だった。
アサヒカメラは少し奇をてらった写真が多かったが日本カメラは正統な流れの作品が多かった。
それぞれ個性があって面白い雑誌で映像を大学で専攻した私なんかは勉強になった雑誌でもあった。
アサヒカメラは朝日新聞社が発行しているので会社はなくならなかったが日本カメラは会社も存続せず消えてしまう。

時代の流れ、と言ってしまえばそれまでだけど、他のカメラ雑誌の今後が気になるところでもある。

ありがとう日本カメラ。




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