<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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面白い映画なのに、一般の劇場でロードショー公開しない作品がたまにある。
原因は様々。
宗教的に、価値観的に、日本人に受け入れられにくいとか、カルトな内容で一般受けしないかも、というのが理由だと思う。

ずっと以前にアカデミー賞を受賞した「炎のランナー」を見に行ったことがあるのだが、何が面白いのかちっとも分からず、トホホモードで帰ってきたことがあった。
詳しい人に訊くと、
「そら、日本人にはわかりにくい。あなたキリスト教徒やないでしょ」
と言われた。
何を隠そう、私の家は真言宗である。
従ってキリスト教を知っていなければ分からない映画は、当然よくわからない。
なにか、聖書でも読み込んでいないと分からないのだろうかと、思ったのだ。
が、あとでよくよく考えてみると退屈でほとんど寝てしまったのが原因だったような気がしないでもないのだった。

「炎のランナー」はメジャー公開されていたので、アカデミー作品賞を受賞するというのはそれなりに重要なことなのだと、つくづく感じたのであった。

これとは違って、出演陣もスタッフも、特殊効果もどう考えてみてもメジャー公開されなければならないのに、ミニシアター系で公開される映画がある。
このジャンルで密かにヒットした映画が数年前に公開された「ギャラクシー・クエスト」。
当然私も見て大好きになった映画だった。

脚本が良くできたSFコメディで、どこかで見たことのあるようなSFTVシリーズとそのドラマを真実のドキュメンタリーだと信じて疑わない異星人との物語なのであった。
主演はシガニー・ウィーバー、ティム・アレン、アラン・リックマン、トニー・シャルーブ等。
製作はスピルバーグのドリームワークス。
特殊効果はルーカスのILMという豪華さ。

最初から最後まで笑いと涙とアイデアが溢れていて、この年見た私の最もお気に入りの映画になったくらいなのであった。
つまり「スター・トレック」とその熱狂的なファンである「トレッキー」の関係をコミカルに、そして感動的に別の架空のテレビドラマに当てはめて描いたオマージュ作品なのだが、全編を通じて「スター・トレック」そのものも、その要素も、そのファンもまったく出てこない。
しかし、カルト的な映画であることに変わりはなく、社会現象としてのスター・トレックを知っている人には笑いと驚きが止まらないシーンが続くのだ。

「宇宙人ポール」はその「ギャラクシークエスト」を彷彿させる映画なのであった。

この映画でパロディ化されている映画はスター・トレックだけではない。
E.T、MIB、レイダース、未知との遭遇などなど。
往年のヒット作が目白押しだ。
あるE.Tの1シーンを彷彿させるシーンは感動していたら不意を突かれて大爆笑。
こんなカルトちっくな映画、大丈夫かな、と思っていたカミさんと娘も大爆笑していて一安心。

「ギャラクシークエスト」と比べると、いささか品に劣りはするが面白さはなかなかなのであった。

予告編をネットで見たら劇場へ足を向けたくなること請け合いだ。
なお、ミニシアター系に近い扱いの公開なので、大阪も2館で上映されているだけ。
近くで上映している映画館を探すのは、ちょいとばかり難しいかも分からない。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
観ましたよ (低徳)
2012-02-20 21:08:13
昨夏、出張の機内で観ました。
製作がイギリス人なので、アメリカ人が作っていない分、日本人にも面白く観られるのでは、と思います。
とは言いつつ、半年前なので、大分忘れているのですが(笑)
 
 
 
よくできてました (監督@とりがら管理人)
2012-02-22 00:50:20
こんばんわ、低徳閣下。
確かにイギリス作品であるからこそ、ブラックジョークでも笑えて楽しめるのかもしれません。
この手の映画は一つ間違えば笑えない悲惨なものにもなってしまうので、よくできた映画ということができるのではないでしょうか。
そういえば、イギリスコメディのジョニーイングリッシュは見に行く時間のないまま上映終了を迎えそうで残念です。
 
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