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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」がいよいよクライマックスを迎えている。

で、このタイミングで今回の大河ドラマの1つの回を初めて通しで真面目に見た。
なかなか良くできているところと、どうでもいいようなところがあり、それなりに見入ってしまったのであった。

戦国時代を舞台にした大河ドラマが放送されると、おおよそストーリーの中味の推測できてしまい、最初から見る気が失せてしまう。
これはすでに多くの時代小説で戦国期のいろんなストーリーを読んでしまっているからで、
「今さら....」
と気分がなっていることが大きい。

大河ドラマで戦国期を描いた作品で最初から最後までまともに見たのは「黄金の日々」と「独眼竜正宗」の2作のみ。
「黄金の日日」は大阪府堺市を舞台にしていて、堺市立の中学校に通っていた私達当時のガキどもには学校から「NHKの大河ドラマを見るように」というようなお達しがでていた。
少なくともうちの中学校ではそうなのであった。

この「黄金の日々」はそれなりにヒットし、話題も呼んだ。
なんといっても石川五エ門を演じた根津甚八。
善住坊を演じた川谷拓三の出世作となったのが最大に印象的なのだが、ほかにも、
堺の豪商・今井宗久を丹波哲郎が。
キリシタンの女性モニカを夏目雅子が。
千利休を鶴田浩二が好演していたことも印象に深く刻まれたのだが、武将関連の登場人物も秀逸なのであった。
織田信長を高橋幸治。
豊臣秀吉を緒形拳。
この「太閤記」のコンビが再登場しているところがなかなか憎めない配役なのであった。
このときの明智光秀は内藤武敏が演じていて、現在の長谷川博己と比べても実際のイメージに近い配役なのであった。

「独眼竜正宗」は渡辺謙の出世作でもあるが、この時代劇は前作までが現代劇という異色の大河ドラマが放送されていたことから原点回帰ということで注目が集まり、私も見てしまったシリーズだった。

で、「麒麟がくる」。
安土城築上の過程で様々なドラマが展開させるわけだが、ここで明智光秀の「ええところの家」出身の生真面目さと信長の破天荒な性格、秀吉の腹黒さがぶつかり合うところが見せ場になっていて現代時代劇ながら緊張感がみなぎっていたのだった。
「で、いつ信長のかんしゃく玉が切れるんやろ」
と考えていたところでドラマは「来週へ」となったわけだが、これだけ主人公をいい感じに描いていて、その光秀の最期をどう描くのか。
少々気になった。
光秀は最期は落ち武者となって追い剥ぎ同然のドン百姓に殺されるわけだが、そういう死に方はこういうドラマでは見たくないな、と思わなくてもなかった。

そこでふと考えたのだが、同じ題材で何度も作り続ける大河ドラマは、こういう史実とは違うけれども、みんなはこう見てみたいというところを描くところが息の長いシリーズになっている理由ではないか。

そう思う、最終回近くの大河ドラマなのであった。


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