<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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「『西郷どん』の鹿児島弁て一般の人にわかるように言ってって、ホントの鹿児島弁やとわからへんねんて」

とはカミさんの弁。
正直そんなことは合点承知の助なのであった。

今から30年前。
新人社会人だったころ。
私は建築設備の計測と調整の仕事で沖縄のリゾート地・恩納村を訪れた。

恩納村は著名なムーンビーチホテルを始め数々の豪華ホテルが建ち並ぶ。
沖縄本島東岸の夕日の美しい観光地だ。
私はここで建設中のとある豪華ホテルの建築現場に仕事で1ヶ月間ほど滞在した。
九電工という会社からの依頼の仕事なのであった。

豪華リゾート地であるにもかかわらず宿泊したのは民宿のような安宿でテレビは無料だが、エアコンが1時間100円。400円までしか投入することのできない蒸し暑い、食事が飛び切り不味い安宿であった。
唯一、宿の人が超親切であったことが救いではあった。

沖縄での仕事は内容は関西でやっているいつもの内容と変わらなかった。
現場の監督さんも職人さんもみんな技術も高く親切であった。
でも、大いに困ることがひとつあった。
それは言葉が通じにくいということなのであった。
それも驚くことに地元沖縄の職人さんたちは何を話しているのかよく分かるのだが、問題は監督さんたちなのであった。

監督さんたちは九電工の鹿児島営業所の人たちで、監督さんたちは鹿児島弁で仕事をしていたのだった。
当然といえば当然。
大阪の監督さんが大阪弁で話すとの同じ。
でも、大阪からやってきた私達には監督さんの鹿児島弁はまったく聞き取ることができず。

「え?」
と聞き返すことが多いのであった。

沖縄訪問前、私は沖縄の職人さんの言葉の方が理解できないかも知れないと思っていた。
ところが島人職人さんは大和人にもわかりやすく話してくれることに超慣れているらしく、私たちの前では島人言葉では話さないのであった。
「こっちの言葉で話したらわからないだろうから」
と島人親方はニコニコしながら言ってくれた。

で、困ったのが大和人薩摩人の監督の方々であった。
この監督さんたちは鹿児島、少なくとも九電工の本社のある福岡を出たことが無いらしく、指示も何もかも全て鹿児島弁であった。
鹿児島弁。
ほとんど外国語。

NHK大河ドラマ「西郷どん」。
本格的鹿児島弁でドラマをやったら、ある意味視聴率は一時的に上がるかもしれない。
但し字幕スーパーが必要だ。

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