<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



初めてスターウォーズが公開された頃。
私はスタートレックに凝っていて、ついでながら他の米国製SFシリーズにはまっていて、いろんな宇宙船のプラモデルを探してた。
大阪では1970年代の終わり、スタートレックは宇宙大作戦というタイトルで深夜枠で放送されていたのだが、密かな人気は読売テレビの11PMを凌駕すると言われていて深夜番組視聴率ナンバーワンであった。
そんなこともあってか、ちょっとマニア向け模型店には米国からの輸入プラモデルの宇宙船エンタープライズ号や宇宙艇ガリレオ7、クリンゴンの戦艦などが売られていた。
もちろん価格はめちゃ高で高校生の私には簡単に買い求めることのできるものではなかった。

1978年に初めてアメリカの親戚んちに遊びに行った時の自分へのおみやげはプラモデルだった。
訪れたのはハリウッド大通りにあった玩具店でスタートレックの映画版エンタープライズ号のプラモデルとスペース1999のイーグル宇宙船。
そして公開一年目を現地で迎えていたスターウォーズのXウィング戦闘機とタイファイター、ダースベイダーの宇宙船、そしてダースベーダーのマスクを購入してきたのであった。
なんというお買い物だろう。
現地だから安いとはいいなが、帰国してから家族が呆れ返ったのは言うまでもない。

そんななか、在庫がなかったために1つだけ購入できなかったのがミレニアム・ファルコンのプラモデルなのであった。

当初、映画公開前は写真でみるミレニアムファルコンを見て「シェルのマークみたいな宇宙船や。カッコ悪う~」と思っていた。
エンタープライズ号やXウィング戦闘機、ウルトラホーク1号と比べると格段に見劣りする姿に感じたのだ。
ところが映画を見てからハリソン・フォードの魅力に引き込まれるとともに、その宇宙船ミレニアム・ファルコンの魅力にも目覚め、どうしても買ってみたいと思ったのであった。
ロサンゼルスの玩具店で見つけることができなかった模型は大阪の模型店で販売していることを知ったのだが、価格はウン万円。
足元を見られるということを、初めて体験した瞬間でもあった。

以後、ミレニアム・ファルコンを見るたびに「あの時、模型が欲しかったな」と思い出すのだ。

スターウォーズ最新作フォースの覚醒では、なんとこのミレニアム・ファルコンが実は主人公ではないかと思えるほど登場する物語の骨子になっていたのだった。
もちろん画面に最も登場するキャラクターはハン・ソロ。
ほとんど主人公のように登場していたのだ。
なぜディアゴスティーニのビジネスモデルにミレニアム・ファルコンが乗っかているのかよく理解できたのだった。

実はこのミレニアムファルコンの登場の仕方がなかなか良かったのだ。
主人公レイがタイ・ファイターの攻撃から逃れるために走ってきて、
「もうこのボロ船でも使うしか無い」
と振り返った時、おもむろにボロ船ミレニアム・ファルコンが目に飛び込んでくる。
そしてレイが走り込んだ船内を見たとたん、私の両目にはなにかこう熱いものがにじみ出てきたのだ。

ミレニアムファルコンは1978年(77年)の登場の時から「What a peace of junk!」と言われ、「なんてボロなんだ」と訳されていたように記憶する。
初めて登場した時から他人から褒められたことのない宇宙船なのだ。
でも、その光の速度に突入する瞬間は圧巻なのであった。
今回も何回か突入シーンがあったように記憶する。
しかし1978年の第一作で見た最初の光速への突入シーンほどの魅力はなかった。
なんといってもスターウォーズを劇場で11回も見た原因になっていた「このシーンが見たい」のうちの1つなのだったから。

ミレニアム・ファルコンが登場することにより、畢竟ハリソン・フォード演じるハン・ソロとチューバッカが登場。
なんとなくストーリーの先行きが想像できる展開なのだったが、その想像通りになってしまったのが大いに残念ではあった。

スターウォーズ・フォースの覚醒、そのインパクトの最大はミレニアム・ファルコンそのものと言えたかも知れない。

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