
今から40年ほど前。
子供の頃に住んでいた公団住宅の周りには溝があって、夏になる頃には殺虫剤のスプレー装置を背中に担いで害虫駆除に回っているおじさんたちがいた。
溝の中。
溝の周り。
生け垣。
樹木。
などなどに向けてスプレーをさっと吹きかける。
いかにも薬という香りを今もなんとなく覚えていて。
「あんなの平気で吸っていたりしたけど、大丈夫なんかいな」
と考えることが時々ある。
もうそんな光景も見なくなったな、と思っていたら先日来のデング熱騒ぎですっかりそういう光景が復活した模様だ。
先週の週末。
東京の目黒川横を通っていると、川の色がなんだかヘンなことに気づいた。
やたらと白いのだ。
こういうと都心部を流れる川は、東京の神田川だろが大阪の道頓堀川だろうが、どちらもどんよりと黒く濁っていて、夏になると異臭を放つこともままないこもない、いわゆるドブ川状態。
そんな固定観念を持って目黒川を見たら、真っ白状態。
殺虫剤の凄さかどうか。
ボーフラ退治に狂騒する東京都内の印象なのであった。
で、用が済んだらさっさと大阪に帰ったのはいうまでもない。