地底人の独り言

いつまでもみずみずしい感性を持ち続けて生きたいと願いつつ、日々の思いや暮らしを綴っていきます

金子みすゞ物語

2013年05月09日 | 読書

執念とも言える熱意で金子みすゞを世に送り出した矢崎節夫著『金子みすゞ物語』

私と小鳥と鈴と(金子みすゞ)
  私が両手をひろげても、
  お空はちっとも飛べないが、
  飛べる小鳥は私のように、
  地面を速く走れない。

  私が体をゆすっても、
  きれいな音はでないけど、
  あの鳴る鈴は私のように、
  たくさんな唄は知らないよ。

  鈴と、小鳥と、それから私、
  みんなちがって、みんないい。

 2001年8月27日 に放送された、TBS創立五十周年記念番組『明るいほうへ明るいほうへ~童謡詩人金子みすゞ~』。ポスターには主演した松たか子の顔が特大でアップされている。そのポスターが我が部屋に置かれてから、もう10年を超えたことになる。

 加えて我が部屋には、ありがたくもいただいた篠山紀信撮影の化粧品のポスターも加わっている。もう一つ、松たか子が初めて「アルドンサ」役を演じた父・松本幸四郎の「ラ・マンチャの男」の初の博多座公演のポスターもドーンと座っている。

 さて、何だかバタバタしているが、日々のあれこれやその時々の思いを書いていると、読んだ本の紹介などは後回しになる。読んだ本のいくつかは、メモをしておくのだが、アップせずに終わることも少なくない。最近松たか子が登場しないので、少しだけ寂しく、そして少しだけ無理があるが、矢崎節夫著『みんなを好きに 金子みすず物語』(JULA出版局刊)を読んだ感想を書いておこうと思う。

 「前夫から最愛の娘を奪われないために自死の道を選び、26歳という若さでこの世を去ってしまった金子みすゞ。彼女の残した作品は散逸し、いつしか幻の童謡詩人と語り継がれるばかりとなっていた。

 その死から50余年。長い年月埋もれていたみすゞの作品を、執念ともいえる熱意により再び世に送り出されたのが児童文学者の矢崎節夫(現金子みすゞ記念館館長)。『みんなを好きに 金子みすず物語』の著者だ。

  天才童謡詩人、金子みすゞ。自然の風景をやさしく見つめ、優しさにつらぬかれた彼女の作品の数々は、21世紀を生きる私たちに大切なメッセージを伝え続けている」(ネットから拝借、感謝)。

 その誕生から成長していく様を、ていねいに書いている。その筆は、とても愛情に満ちている。金子みすゞの詩も優しいが、金子みすゞについて書く矢崎節夫も優しい。ニニキネで本を読みながら、優しさに包まれた。そしてまた、まだ行ったことのない「金子みすゞ記念館」を訪れてみたいと思ったりもした。

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4 コメント

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これほど・・・ (仙人)
2013-05-09 10:40:12
喜んで頂けましたなたら努力の甲斐ありですね。
貴男の情熱を見習いたくもあるキョウコノゴロです
ミーハーなのです (地底人)
2013-05-09 21:29:47
前期高齢者に突入しても、ミーハーがやまりません。
恥ずかしい限りです。

それにしても、まだ感動は続いているのです。
そして、感謝も。

やはり、篠山紀信は見事にモデルの魅力を引き出すものだと感心もしています。
金子みすゞ (クロコ)
2013-05-09 23:29:12
みんな違ってみんないい。
この詩は、心に暖かいものを届けてくれますね。
クロコさんへ (地底人)
2013-05-10 07:27:32
みすゞの詩は、ホント、とても心優しいものばかり。
だから、とても優しくなれるし、癒やされます。

みすゞの詩のような思いで日々を過ごせたら平安なのですが。

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