勤務校に兵庫県立大学から学校案内が来た。同大学は僕の知る限り、勤務校からの進学実績はおろか、受験実績もない大学である。同大学については、ブログで取り上げたこともあり、案内とウエブサイトを読んでみた。こんな記述を見つけた。
2017年(平成29年)4月附属高等学校・附属中学校を設置
「あれ?
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同大学の「附属学校」ついて、僕は以前「兵庫県立大学」(’15-06-16)で取り上げた。一部再掲する。
地方独立行政法人法
平成15年7月16日法律第118号
最終改正:
平成26年6月13日法律第69号
第七章 公立大学法人に関する特例
(名称の特例)
第六十八条 一般地方独立行政法人で第二十一条第二号に掲げる業務を行うもの(以下この章において「公立大学法人」という。)は、第四条第一項の規定にかかわらず、その名称中に、地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。
2 公立大学法人でない者は、その名称中に、公立大学法人という文字を用いてはならない。
(他業の禁止)
第七十条 公立大学法人は、第二十一条第二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務以外の業務を行ってはならない。
第三章 業務運営
(業務の範囲)
第二十一条 地方独立行政法人は、次に掲げる業務のうち定款で定めるものを行う。
二 大学又は大学及び高等専門学校の設置及び管理を行うこと。
学校教育法
昭和22年3月31日法律第26号
最終改正:
平成23年6月3日法律第61号
附則抄
第五条
地方独立行政法人法第六十八条第一項に規定する公立大学法人は、第二条第一項の規定にかかわらず、当分の間、大学及び高等専門学校以外の学校を設置することができない。
どうもここが変わったようだ。でも、学校教育法の改正、なんで見過ごしたのかな。
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いろいろ調べてみた。
繰り返しになるが、公立大学法人は、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第70条により、大学又は大学及び高等専門学校の設置及び管理を行うこと(これに附帯する業務を含む)以外の業務を行ってはならないとされている。
学校教育法(昭和22年法律第26号)附則第5条により、「当分の間、大学及び高等専門学校以外の学校を設置することができない」とされていた。
詳細「大学に関する関連法規を読んでみる。」(’12-06-21)
平成29年4月1日施行の法改正(平成28年法律第47号*)で、学校教育法附則第五条が削除されるとともに、地方独立行政法人法第第二十一条の二が修正、第七十七条の二が追加された。
地方独立行政法人法
平成15年7月16日法律第118号
平成28年5月13日成立
平成28年5月20日公布
平成29年4月1日施行
第二十一条 地方独立行政法人は、次に掲げる業務のうち定款で定めるものを行う。
二 大学又は大学及び高等専門学校の設置及び管理を行うこと並びに当該大学又は大学及び高等専門学校における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者に対し、出資を行うこと。下線部が追加である。
第七十七条の二 公立大学法人が設置する大学に、当該大学の教育研究上の目的を達成するため、定款で定めるところにより、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼保連携型認定こども園又は専修学校(次項において「学校」という。)を附属させて設置することができる。
公立大学法人が設置するのではなく、大学に附属させることになる。大学に「ぶら下げる」感じである。
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*これらの改正は「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第6次地方分権一括法)」(平成28年法律第47号)による。学校教育法と地方独立行政法人法が単独で改正されたわけではない。だから気がつかなかった。附属学校を設置可能にする法改正ということは聞いていた。もちろん、いいわけである。