アナザー人類興亡史
-人間になれずに消滅した”傍系人類”の系譜-(知りたい!サイエンス)
技術評論社・金子隆一著
基本的にはネアンデルタール人に関する記述を読みたくて買った本なのだが、第6章の、『「ホモ・ハビリス」は存在したか?』も、面白く読むことができた。
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第8章では、『もっとも近い人類の仲間』ではこんな記述があった。214ページから。
『彼らが髭をそりスーツを着てニューヨークの地下鉄に乗っていたら、誰ひとり彼らを見向きもしないだろう』
人類学の一般書では必ず出てくるフレーズである。著者によれば、『成人の男性ならホモ・ネアンデルターレンシスは相当に人目を引くことになるだろう。大きな眉上(びじょう)突起は帽子をかぶっていても隠しきることはできない。』とのこと。
・・・だろうなあ。
この本にも書いてあることだが、眉上突起はネアンデルタール人の第2次性徴一つと言うことだ。だからボクが以前ブログで取り上げたネアンデルタール人(女児)ではそう目立たない。5年前に取り上げた復元写真(2枚目)を、当時つとめていた学校の生徒に見せても、身なりはともかく顔つきについては、違和感を感じた生徒はほとんどいなかったことを思い出した。この本にも、こんな記述があった。
『おそらくホモ・ネアンデルターレンシスの子どもがスクールバスの中にまぎれ込んでいたとしても、周囲の人間が気づくことはないだろう。
複数いて、会話をしていても、どこからアメリカに来たのかなと思われるくらいなのかもしれない。
全部読み終わっての感想。
入門書(一般書)として読みやすい。☆☆☆☆かな。
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2006.08.23、「The Neanderthals -1」