キャンプ・ゲルに到着して3日目、ヒツジを用意し、ぼくらにご馳走してくれることになった。遊牧民出身のガイドの一人が、ヒツジ一頭を小1時間もかからずに各部位に解体。その様子をぼくらに見せてくれる。
マグロの解体ショーと思えばどうってことないはずだが、直視するにはかなり抵抗がある。
遊牧民の子供たちは、幼いころから家畜をさばく作業を見て手伝いをする。彼らにとって、家畜をさばき、それを食べるのは、彼らの生活の基盤だ。子供たちは、こうした作業に慣れることで、家畜はペットではなく、彼らの生活に欠かせない大切な財産であり、食料であることを学び、家畜と人間の関わりを理解する。
大人たちも子供らに仕事をまかせる。ヒツジを追いかけたり、乳しぼりしたり。3、4歳にもなれば自分よりはるかに大きな馬に乗り、家畜の群れを追いかける。幼い時から大人たちの背中を見て育ち、生活に必要なことを学んでいくのだ。。
キャンプでばらしたヒツジの肉は、モンゴル式のBBQホルホグに。ミルクタンクのようなステンレス製の圧力容器で、容器の底から加熱してむし焼きにする。塩と調味料、そしてジャガイモ、ニンジンなど野菜も入れる。サッポロで食べるジンギスカンとは全く異なる味と香り。より、肉のうまみが生きてて最高だ。