tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

奥日光 雪まつり

2011-02-21 23:53:13 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

夜中、雪の音を聞いた気がした。
さらさらと、フロントガラスに落ちては、積もっていく。
仮眠前に夜食でもと、車を止めた湯元温泉の駐車場。車の窓を少し開けて換気をしながら、ガスストーブでコーヒーを沸かす。夜食は、途中のAEONで、春限定「桃のカクテル」、非常食、朝食のパンとともに買ったオムライスのお弁当。コーヒーが沸いて、さて、お弁当をと思ったら、割箸がついてなかった。

箸がない!こんな時、他の人ならどうするのだろう・・・。
子供のころ、小学校の体育館で観た渥美清が主演する国鉄職員を描いた映画のワン・シーンを思い出した。東京~長崎間を往復する寝台特急だろうか。列車の車掌室で持参の弁当を食べようとした主人公の渥美清は、箸がないことに気が付き、胸のポケットにさしてあった2本の鉛筆で食べる。
それ以外のシーンはほとんど思い出せない。妙にこのシーンだけが記憶の底に沈んでいた。
ひょっとしたら、小学校低学年の当時、ぼくもあわてんぼうの母のため、昼のお弁当を食べようとして箸がなくて困った経験をよくしていたのかもしれない。
さて、オムライス。車の中を探しても箸の代わりになるようなものは何にもない。
ナチュラリストたちなら、野外の竹林から竹を切って、それで箸を作るのかもしれない。しかし、こんな、厳寒シーズンの夜中。竹林なんてそばにあるわけもなく、竹を加工する道具すら持っていない。
さんざん考えたが、結局、食べるのをあきらめた。ぼくはオムライスを諦め、非常食用のメロンパンを。これで明日の雪中行軍で、遭難でもしたら食料はなしということになる。

さっき聞こえたと思った「雪の音」は、何だったんだろう?音を立てるような乾いた雪だとその時は思った。フロントガラスには、積もった雪を通して湯元温泉の街灯がうすぼんやりと見えていた。
昔話や童話の世界、狐か狸に化かされたのか、妖精に悪戯されたのか、そんな奇妙な気分。
静かなモノトーンの世界。


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