モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

夜に咲く。ザルジアンスキア・ムーンライトフレグランスの花

2009-04-02 08:34:46 | その他のハーブ
ナイト・フロックスと呼ばれる南アフリカ原産の花。いまや園芸品種でのスターとなるような勢いで人気を集め始めているという。といっても英国での話だが、日本でも普及し始めているようだ。

(写真)フラッシュで撮ったザルジアンスキア・ムーンライトフレグランスの花


この花は、夕方から花びらを開き、かすかな灯りに浮かび上がる真っ白な花は、夜の花の観賞という新しい価値を提供してくれそうだ。
しかもフロックスに似たムスク系のような濃い香りが漂う。

北米原産のメマツヨイグサ、月見草(オオマツヨイグサ)等も夜に咲く花だが、これらの花は日本原産のような雰囲気があるが、ザルジアンスキアにはいわゆるバタ臭さがある。

南アフリカの植物は、日本の梅雨と夏が苦手なものが多く庭植えよりは鉢ものがあっている。梅雨のときは日当たりが良い軒下で、夏場は風通しが良い半日陰でなど移動可能性が必要だ。さらに冬場は室内に取り込む必要がありそうだ。


ザルジアンスキアの原産地とプラントハンターの発見
南アフリカ原産のザルジアンスキア属には54種ほどがあるようだが、その大部分は、南アフリカ共和国のど真ん中にある海抜1000m以上の高地で“天空の王国”といわれるレソト(Lesotho)に生育している。
このレソトの輸出商品は、南アフリカ共和国などへのきれいな水というのには驚いたが、経済的には豊かではないが動植物にとっては豊かな環境のようだ。

Zaluzianskya ovataは、南アフリカの植物地理学の父と呼ばれるヨハン・フランツ・ドレージュ(Johann Franz Drège 1794-1881)によって発見された。
彼は、ドイツに移民したユグノー教徒であり、ケープで薬剤師として働いていた兄の下に1826年に弟とともに来て、兄は動物を中心にフランツは植物を中心に南アフリカを探検したプラントハンターでもある。

南アフリカのプラントハンターとしては、フランシス・マッソンの2回目の探検が1786‐1795年までであり、その後を引き継いだプラントハンターの一人として、1826年から1834年まで南アフリカのケープを拠点に奥地の探検をし、20万以上の植物を採取し8000の種を採取した。後世の人間は、この徹底した採取のすごさと克明な記録に驚き、「南アフリカの植物地理学の父」といわれるゆえんがここにある。

ドレージュは、もうちょっとフォローしてみたい人物だ。

(写真) 夕方、開き始めたザルジアンスキア・ムーンライトフレグランスの花


ザルジアンスキア・ムーンライトフレグランス
・ゴマノハグサ科ザルジアンスキア属の耐寒性が-3℃まである多年草。
・学名は、Zaluzianskya ovata Walp.。英名はナイトフロックス(night phlox)、ムーンライト・フレグランス(Moonlight Fragrance)はこの園芸品種。
・属名のザルジアンスキア(Zaluzianskya)は、ポーランドの植物学者Adam Zaluziansky von Zaluzian(1558–1613)から来ている。
・原産国は南アフリカ。
・開花期は3~5月で、夕方に内側が白色の花を開きフロックスのような香りを放つ。朝、陽が昇ると花を閉じ外側の暗紫色となる。
・草丈は15~20㎝程度。
・高温多湿を嫌うので、梅雨の時期以降は、風通しの良い乾燥した半日陰で育てる。
・開花後は切り戻し手半日陰で育てる。

命名者
Walpers, Wilhelm Gerhard (1816-1853)はドイツの植物学者
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