モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

淡麗辛口 鄙願(ひがん)

2014-11-06 10:14:02 | グルメ
新京成線八柱駅近くにある「すし勘」で美味しい酒に出会った。
その名を『鄙願(ひがん)』という。


「すし勘」は、所要で二ヶ月に一回八柱に行った時に顔出す店で、“〆張鶴”を飲むのを楽しみにしている。

この日も好みの“〆張鶴(宮尾酒造・新潟)”か、店定番の“ねぶた(桃川・青森)”を飲もうかと思っていたら、珍しい酒があるというので味が分かる最初の1合として頼んでみた。

「ん~・・・・・、いい感じかな!」
飲み口が良く、後味の最後まで最初の味がしっかりとしていた。
飲んだ瞬間に うまい と言ってしまう酒ではないが、とてもバランスが良い酒だと思った。 このバランスの良さは、“〆張鶴”“ねぶた”を飲んで比較してよく分かった。

それぞれの酒のキーワードを見ておくと、“〆張鶴”は淡麗旨口、“ねぶた”は、純米酒に淡麗な味わいと喉越しを求めた辛口の酒で、いわゆる 両方とも端麗辛口 の酒である。

「おやじさん、この酒 何?」
何を聞いているのか良く分からない問いかけだが、何を聞いているかを察知して答えてくれる。優れた人は、次の質問を用意して答えてくれるのだから会話がつながる事になる。

「〆張鶴と同じ新潟の酒で、“ひがん”といいます。」
と言うことは、“〆張鶴”同様に端麗辛口タイプの酒なんだ。
端麗な酒は、限りなく水に近づくので、この点では、“〆張鶴”が一番好きだが、“ひがん”は、矛盾する表現だが、味がしっかりある淡麗な酒のようだ。

開封していない一升瓶が壁際にあったが、書道家の手になる読めない字の一升瓶が2本あり、首にステッカーが掛けてあり 良寛さんの俳句か何かがかけてあった。

家に帰り、“ひがん”を調べていたら、これが“鄙願(ひがん)”だった。
通常は酒蔵が造った酒が販売されるが、この酒は、新潟県 燕市大武新田の酒屋「越後分水・酒・ほしの(有限会社星野商店)」が、月山に近い新潟県村上市にある大洋酒造㈱に製造委託して作りこれを販売している。
ということだが、入手が困難な酒のようだ。

(写真)鄙願(ひがん)
 
(出典)日本の大吟醸
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