モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

チェリーセージ①:サルビア・ヤメンシスの花

2009-04-21 12:40:55 | セージ&サルビア
チェリーセージが花咲く時期になった。
一般的に呼んでいるチェリーセージには三種類あるが、学名にするとこの区別がわかりやすくなる。

発見された順番に書くと次のようになる。
1.サルビア・グレッギー(Salvia greggii)1848年 グレッグが発見
2.サルビア・ミクロフィラ(Salvia microphylla)1885年 プリングルが発見
3.サルビア・ヤメンシス(Salvia xjamensis)両者の交配種で種類多い。1991年 コンプトンなどが発見

まずは、開花した三種類のサルビア・ヤメンシスをカラー展開で掲載する。

(写真)サルビア・ヤメンシス・イエロー


ヤメンシスは花色が豊富だ。イエロー、サーモン、サーモンイエロー、オレンジ、パープル、赤紫、ピンクなど7種を栽培しているが、30色以上ありそうで24色が基本のクレヨンなどの色彩よりも豊富でなおかつもっと花色が出現しそうだ。園芸店では、チェリーセージという名前で販売しているが、葉を見るとサルビア・グレッギーと異なることに気づく。ヤメンシスの葉は、小さくて緑色の光沢がある卵形の葉であり、シワシワがあるグレッギー及びミクロフィラの葉とは異なる。

(写真)サルビア・ヤメンシス・サーモンイエロー


サルビア・ヤメンシスの発見
サルビア・ヤメンシスの発見は、ジェームス・コンプトン(James Compton),マーティン・リック (Martyn Rix)、 ジョン・ダルシー(John dArcy)によって、メキシコのヤメ(jame)の町の近くで1990年に発見し1991年に採取された。彼らは、形が異なる30種を収集し、耐寒性が優れた7種の栽培品種を発表した。

このヤメンシスを発見した場所は、シエラ・マドレ東岸の2000~3000mの高地で、1500~2800mあたりには真っ赤なサルビア・グレッギーが咲き乱れ、その上の1800~2500mにはサルビア・ミクロフィラの赤・白い花が咲き乱れていた。この両者の交じり合った高度のところにカラフルなサルビアが咲いていて別種とは考えていなかったようだ。実際は、グレッギーとミクロフィラの自然交配種だとコンプトンなどが気づくまでに相当な時間がかかった。

ヤメンシス(Salvia x jamensis)の名前は、発見した場所のヤメ(jame)にちなんでいるが、発見者コンプトンのジェームス(James)をも踏まえて名付けている。
親であるサルビア・グレッギーが、アメリカの歴史学者グレッグによって発見されたのが1848年だから、約150年近くも遅れて発見されたことになる。

ジェームス・コンプトン(James Compton)は、英国の植物学者で、Chelsea Physic Garden,の最高の庭園管理者だったが、彼は、同じ1991年に真っ赤な花を咲かせるサルビア・ダルシー(Salvia darcyi)をも再発見し、英国の植物学者ウイリアム・ダルシーにちなんで名前をつけた。

本来的には、テキサスにある圃育園Yucca Do Nurseryの採取者が1988年にコンプトンよりも早く発見していたが、キュー王立植物園に信用がなかったので、コンプトン発見となったようだ。

身内でないものが信用を獲得することはいかに大変なことかがこのケースでわかる。信用という概念自体排他的であり、この獲得コストは尋常ではないが、信用を獲得に当たってのプロセスはグローバル性がありコモンセンスとして共有化できそうだ。

(写真)サルビア・ヤメンシス・サーモン


サルビア・ヤメンシス(≒チェリーセージ)
・シソ科 アキギリ属(サルビア属)の耐寒性がある宿根草。霜を避ければ外で越冬する。
・学名は、Salvia × jamensis J.Compton (S.ヤメンシス)。
・グレッギーとミクロフィラの交雑品種(Salvia greggii A.Gray × Salvia microphylla Sessé & Moc.)
・英名がAutumn sage(オータムセージ)、流通名がチェリーセージ(Cherry Sage)。
・原産地は、アメリカ・テキサスからメキシコ。
・庭植え、鉢植えで育てる。
・草丈は、60~80㎝で茎は木質化する。
・花の時期は、4~11月。花色が豊富。
・咲き終わった花穂は切り戻すようにする。また、草姿が乱れたら適宜切り戻す。

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