モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

チョコレートミントゼラニウムの花

2014-03-30 20:56:53 | ペラルゴニウム&ゼラニウム
(写真)Pelargonium tomentosum 'Chocolate-mint'の花
 
チョコレートミントゼラニウムは、チョコレートミントの香りがするペラルゴニウムではなく、ミントの香りがし、且つ、グリーンのベルベットのような手触りの葉にチョコレート色の斑が入るのでこのような名前がつけられた。
花は、上2枚、下3枚の淡いピンクの花弁で、暖かい春風に誘い出されてちょっと早めだが咲き始めた。

この花は、南アフリカ・ケープ地方の半日陰で湿った川岸などで生育するPelargonium tomentosumの園芸品種で、原種の花色は白、葉にはチョコレート色の斑模様がないが、ミント系の香りがするのが両者に共通している。

(写真)Pelargonium tomentosum
 
(出典)Plants For A Future

原種Pelargonium tomentosumを南アフリカ・北ケープ地方で採取したのは、ドイツから1826年に南アメリカ・ケープに来た Drege、Johann Franz(ドレージュ、ヨハン・フランツ1794-1881)で、1826年から1834年にヨーロッパに戻るまでに、南アフリカの植物を多数採取し、これを正確に記述したプラントハンターとして知られているという。

ドレージュの残した地理情報をGoogle Earthに入力すると、北ケープ地方の黄色のピンが刺されたところでPelargonium tomentosumを採取したことがわかる。


(写真)チョコレート色の斑入り葉


チョコレートミントゼラニウムの特徴
・ペラルゴニウム属の耐寒性が弱い多年草。冬場は軒下か室内に。
・学名は、Pelargonium tomentosum 'Chocolate-mint' 。英名はPeppermint-Scented Geranium、日本での園芸品種名がチョコレートミントゼラニウム。
・南アフリカケープ地方が原産地のPelargonium tomentosumの園芸品種。原種のペラルゴニウム・トメントスームは、南アフリカ、ケープ地方の川筋の半日陰の湿った所で成育し、葉からはペパーミントの香りがするハーブ。
・草丈40-60cmで、横にも同じぐらい以上で広がる。
・開花期は春から晩秋と長く、淡いピンクの小花が咲く。
・葉は明るい緑色の切れ込みがありチョコレート色の斑入りという特色がある。
・葉からはミントの香りがするので寄せ植えするとこの香りが楽しめる。
・日当たりが良く風通しが良く、水はけの良い土壌を好む。

・Pelargonium tomentosumの採取者:Drège、Johann Franz(ドレージュ、ヨハン・フランツ1794-1881)
・Pelargonium tomentosum の命名者:Jacquin, Nicolaus(Nicolaas) Joseph von (1727-1817)
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ペラルゴニウム・エンジェルアイズの花

2014-03-16 07:39:14 | ペラルゴニウム&ゼラニウム
(写真)ペラルゴニウム・エンジェルアイズ
 

花が少ない時期には、このぐらいインパクトが強い花が室内を明るくする、と思いペラルゴニウム・エンジェルアイズ(Pelargonium 'Angel Eyes ')を購入した。通常は種か苗を購入し、育てるのが楽しみなのだが、時間がないのでショートカットで満開の花卉を購入してしまった。

エンジェルアイズの花びらサイズは2cm程度で、外側が薄いピンク、中が濃いピンクのバイカラー。鉢一杯にこの小さな花が咲き、センティド・ゼラニウムのような濃い目の端がチリチリした緑の葉があでやかなピンクの色を支えている。
ペラルゴニウムは一季咲きだが、このエンジェルアイズは四季咲きに改良されているので11月頃まで楽しめるという。

値段は3000~4000円で、冬場の花卉としてシクラメン、クリスマスローズなどと同程度のランクに属し、ペラルゴニウムが冬場の花卉の仲間入りになったみたいだ。

このエンジェルアイズは、ドイツ、ドレスデンにあるPAC Elsner という会社が開発した商品で、PACというロゴマークが鉢に添付され、国際的に商標登録されたブランドとして確立しているという。
このPAC Elsnerの簡単な歴史を見ると、1889年にWilhelm Elsner I世によってドイツ、ドレスデンに設立された会社で、最初はジャガイモ・野菜・バラを栽培していたが、1923年からはペラルゴニウムの育種が始まる。1964年に制定した商標マークPACは、力を入れているPelargoniums, Anthuriums and Chrysanthemumsを意味し、国際的な花卉(=観賞用の草花)の育種に重点をかけるようになる。

最初の“P”ペラルゴニウム(Pelargonium)は後述するとして、二番目の“A”、アンスリウム(Anthurium)は熱帯アメリカ原産のサトイモ科の一つの属で、和名ではベニウチワ属と呼ばれ花と見間違う団扇のような苞(ホウ)と葉を楽しむ観葉植物としてこれからもっと人気が出てくるだろう。
(写真)Anthuriumアンスリウム
 

三番目の“C”、クリスアンセモンマ(Chrysanthemum)はキクを意味する。
キクの原産地は中国ではないかといわれており、中国のキクが西欧に渡ったのは1789年であり、日本のキクはイギリスのプラントハンター、フォーチュン(R.Fortune 1812-1880)が1860年及び1861年に来日し、キクの品種を大量に集めロンドンに送り、ここから西欧でのキクの人気が高まり、今ではバラ・カーネーションと並び世界三大花卉のひとつとなっている。
キクに関してはこちらを参照

PAC Elsnerはゼラニウム、ペラルゴニウムに早くから取り組み、今ではこの専門育種園として世界的に高評価がされているようだ。

このゼラニウム、ペラルゴニウムはちょっとややっこしい。この原因を作ったのがイギリス・キュー植物園の公式プラントハンター第一号、フランシス・マッソン(Francis Masson 1741-1805)だ。マッソンは南アフリカ喜望峰に二回派遣されて行っている。第一回は1772-1774年、第二回は1785-1795年で合わせて102種のゼラニウムを採取しロンドンに送った。

そして、あまりにも大量のゼラニウムが送られてきたので、南アフリカ原産のゼラニウムを独立させてペラルゴニウムという新しい属にしたのがフランスのアマチュア植物学者レリチェール(L'H ritier de Brutelle 1746~1800)だった。

通常は四季咲きはゼラニウム、一季咲きはペラルゴニウムという栽培上の特色があったが、PAC Elsnerは、この区分けをもあいまいにする四季咲きのペラルゴニウムを作ってしまった。

(写真)ペラルゴニウム・エンジェルアイズの立ち姿
 
ペラルゴニウム・エンジェルアイズ
・フウロソウ科ペラルゴニウム属の耐寒性がない多年草
・学名:Pelargonium 'Angel Eyes '
・原産地は南アフリカだがドイツ、ドレスデンのPAC Elsnerで作出された園芸品種
・3月から11月まで開花する四季咲き性
・草丈は20~40cmで、横から見るのが美しい。ハンギングなどにも向く。
・土が乾いたら葉・花にはかけないで根元からたっぷり水をやる。
・気温10℃以下になったら室内に取り込む。
・花が咲き終わったら、梅雨前に全体を軽く切り戻す。晩秋に全体を3分の1に切り戻す。

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