モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

久しぶりの長崎チャンポン、八丁堀『思案橋』

2009-07-31 14:33:13 | グルメ
長崎チャンポンが大好きだったことを忘れていた。
久しぶりに食べたくなり八丁堀の『思案橋』に行ってみた。

火災により銀座八丁目から人形町に移った『思案橋』の味が大好きだったが、今回は八丁堀にした。
というのは、八丁堀という地は、こじんまりした小料理屋があり一度夜でも来て見ようかなと思っていたので、お店探索をもかねて行ってみた。

(写真)大盛りの長崎チャンポン


この店の大盛りをわからないままで頼んでみたら、普通の1.5倍以上はある見ただけで無理かなというものが来てしまった。
この最初の絶望感が味にも影響を及ぼし、可がなく不可だけが目立ってしまった。

あっさりとしたスープ、もうちょっと海鮮の味が利いていて欲しかった。
煮すぎの野菜、強い火力で短時間に仕上げて欲しい。
柔らかすぎる麺、腰が欲しい。

こんな不可だけ目立ってしまった。

いつもだとスープまで残さないで平らげてしまうが、今回はギブアップしてしまった。
とはいえ、この店は由緒ある長崎チャンポンの店であり、町のチャンポンとは出来が違う。と思う。

昔書いた原稿を読み直したら、『思案橋』という暖簾を引き継ぐ一族の店が東京に3店ある中で、最も相性の悪い店だった。
八丁堀でも斜め前に同じ一族の『思案橋』があるが、この店のほうが好みだった。さらに人形町の『思案橋』の方がもっとおいしかった。

記録に頼らないで、記憶に頼っていくと失敗する格好の事例だった。

よさそうな小料理屋がいくつか目に付いたので、八丁堀にちょっと近寄ってみたくなり調べてみたらこんな歴史の街だった。

八丁堀の歴史のさわり
徳川家康が江戸幕府を作ったころは、日比谷あたりまで海があり浅瀬だったようだ。
運河を作りこの土砂で埋め立て新橋・銀座・日本橋が出来たのが1600年代の初め頃のようで、八丁堀も埋め立てで出来た町だ。

桜田門といえばいまは警視庁がある場所だが、八丁堀は、与力・同心の町だったようだ。
江戸時代の町奉行所は、侍・坊主を除いた町方の治安・衛生・商い・生産・トラブルなどあらゆることを取り扱った総合省庁であり、あまりの激務のために御奉行様は現職での過労死が多かったといわれている。だから家柄に関係なく取り立てられたのだろう。

当然、与力も優秀なものが多く、元禄時代頃には、八丁堀に役宅をもらい50人ほど住んでいたという。役宅の目安が300坪といわれている。又同心は200名が住んでいて100坪の役宅のようで、与力・同心(=八丁堀の旦那)の町といってもよさそうだ。

一方、ご存知「銭形平次」は神田明神下に住んでいたが、彼は岡っ引きだったので、八丁堀には住めない設定になっているので時代考証がきちんと出来ているということだろう。

日本の役人の根性を形づくったのがこの江戸時代の役人とも言われる。
幕末になるに従い、米本位制から貨幣本位制に移行するに従い武士の賄いが苦しくなった。就職できない二男三男は養子縁組があれば良いが、無いと悲惨だったようだ。
そこで、アルバイトをするとか、口利き料をとるとか、賄賂を要求するなど、役得を存分に生かす役人が多くなったという。

戦争が無いと活躍できない武士の職務、死ぬために買われている武士階級は、平和な江戸時代は生きにくかったのだろう。

この状況は、いまの役人にも引き継がれており、歴史で磨かれた巧妙さがプラスされている。外郭団体という出島を作りここで飲めや歌えやの花見酒をやって食いつぶしている。

過労死した初期の頃の江戸町奉行の時代に戻って欲しいな~
と八丁堀で思いました。
過労死はさせませんから、日本のためにということで活躍して欲しいな。自分のためにはそろそろ止めようね。


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春雨と野菜の蒸し煮

2009-07-30 08:26:11 | 男の料理
春雨がいつまでも使われずに残っている。
どぎゃんかしなきゃ~と思っていたが、レシピが見つかったので作ってみた。

(写真)春雨と野菜の蒸し煮
    

味噌味で、一味唐辛子がなかなかいい感じのサイドメニューとなった。
下ごしらえをすると調理は簡単なので、残り物の野菜を食べるのには良さそうだ。

<材 料>(4人分)
ナス           4本
パプリカ         1個
シメジ          1パック
長ネギ          1本
春雨           1袋(60グラム)
(あわせ調味料)
しょうゆ         大さじ31/2
味噌           大さじ1
砂糖           大さじ1
酒            1/2カップ(100㏄)
水            1カップ(200㏄)
ニンニクみじん切り    2片
一味唐辛子        適量

<作り方>
1.ナスは味がしみこむように皮をむいて縦8割りにし、パプリカはヘタとタネを取り縦に細切りにする。シメジは石づきを取りばらす。長ネギは斜め切りにする。
2.春雨はハサミで食べやすい長さに切る。
3.ボールに合わせ調味料を作る。一味唐辛子は食べる時にかけても良い。
4.大き目のフライパンにナス、シメジ、ネギ、パプリカ、春雨の順に重ね(春雨はもどさないで使う)、あわせ調味料をまわし入れて、ふたをして沸騰するまで強火にする。
5.沸騰したら弱火で14~15分蒸し煮する。10分後に味がしみるように全体をかき混ぜる。
6.出来上がったら盛り付ける。(長ネギのみじん切り、万能ネギを散らすと色合いがきれいになる。)

<評 価>
油も肉も使わないのでヘルシーこの上ない。
しかし、味噌を使っているので味はしっかりしている。最初の一口は味噌汁かと思ったが、一味唐辛子が野菜の味を引き出し、炒め物ではなく、煮物でもなく、蒸し煮というモノがわかった。
野菜好きの方は、味噌・しょうゆの量を減らして見ると良いかもわからない。
或いは、野菜に白身の魚を入れ、味噌・しょうゆ・砂糖をやめて、塩だけでも十分味がだせるかもわからない。

なるほど、蒸し煮というものは歴史的にふるい調理法かもわからない。と思った。
野菜や魚をバナナの葉で包み、穴の中に入れ砂をかぶせ上から火をたく南太平洋での調理法も蒸し煮か蒸し焼きだろうから、土器を持たない文化圏でも調理が出来たというスタンダードな方法のようだ。
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サルビア・インディゴスパイヤー(Salvia 'Indigo Spires')の花

2009-07-29 11:00:00 | セージ&サルビア
(写真)サルビア・インディゴスパイヤーの花


初夏から霜が降りる頃まで美しい青紫の花が咲き続ける「サルビア・インディゴスパイヤー」は、偶然に誕生した自然交雑のハイブリッド種で、日本では「ラベンダーセージ」と呼ばれている。

草丈1.5mで上方だけでなく横にも広がる勢いがすごく、地植えすると木質化し木のようになる。耐寒性が弱いようだが関東以西では地植えが可能で、剪定をしないと四方八方に成長する。

初夏に花穂を伸ばしこの花穂は30cmも伸び、時に渦巻き状になり、青紫の美しい小花を多数咲かせる。この咲きそろった姿は壮観でもある。

        

偶然に発見されたインディゴ・スパイヤー
S.インディゴ・スパイヤーは、カルフォルニアにある「ハンティングトン植物園」で、1970年代に偶然発見され、1979年には普通に栽培できるようになった。

発見者は、ハンティングトン植物園の学芸員マグレアー(John MacGregor)で、“ミツバチの好意でつくられた”自然交雑のハイブリッド種であり、その花姿から、“Indigo Spires(=藍色のせん塔)”と名付けた。

まさに、次から次と咲く花穂は30cm以上もあり、教会などの尖塔に似ている。
ただ、直立ではなく無鉄砲なところがチョッと違う。

S.インディゴ・スパイヤーが発見された場所では、
“Sslvia farinacea” と “Salvia longispicata”が咲いており、両方ともメキシコ原産のサルビアだが、この両種が交配して出来たのが“Salvia Indigo Spires”だといわれている。

インディゴ・スパイヤーの親元の履歴
それでは、親元を確認してみると、 “S.ファリナケア”は、日本でもなじみの花でブルーサルビアとも呼ばれ、初夏から晩秋まで紫色の花を咲かせるが、耐寒性がないため1年草扱いされる。
かつて栽培していたが、1年草は手間がかかるためいまは手を出していない。

もう一方の、 “S.ロンギスピカタ”は、日本ではまだなじみがなく私も初めてだ。

この花は、1840年にメキシコの南西地域でベルギーの植物学者ガレオッティ(Galeotti, Henri Guillaume 1814-1858)によって発見・採取された。
彼は、1835年から5年間メキシコの植物相調査を行っており、このときに発見したようだ。

なかなか良さそうな花と思うがどうだろう。

このように確認してみると、草丈は短いが、花姿は“S.ファリナケアから受け継ぎ、
S.ロンギスピカタからは、無鉄砲に発育するところを受け継いだのであろうか?
ハイブリッド品種を作り出す交配に手を出すと面白いが、一年に一回のチャンスの蓄積で出来上がるのできっと人生の短さをも味わうのだろう!

「ハンティングトンボタニカルガーデン」について
ハイブリッド種が作出された『ハンティングトン植物園』は、ロスアンゼルス・サンマリノ市にあり、25万坪の庭園に美術館・図書館・植物園などがある観光名所となっているが、元は鉄道王といわれたヘンリー・ハンティングトン(Henry Edwards Huntington 1850–1927)の邸宅であり、晩年の1919年に土地・建物・コレクションなどを財団に寄贈し今日に至っている。

(写真)ハンティングトン植物園にある日本庭園

(出典)ハンティングトン植物園

美術品などの収集は、叔父コリス・ハンティングトン(Collis Potter Huntington 1821 – 1900)の妻アラベラ(Arabella Huntington)が貢献しているが、叔父の死後の1913年にヘンリー・ハンティングトンと再婚している。

このコリス・ハンティングトンは、初代の鉄道王といっても良いが、フェルメールの『リュートを調弦する女』を所有していた人物でもある。

(写真)サルビア・インディゴスパイヤーの立ち姿
        

サルビア・インディゴスパイヤー(Salvia 'Indigo Spires')
・シソ科アキギリ属の半耐寒性の多年草。関東以西では戸外でも越冬できる。
・学名は、Salvia cv Indigo Spires。 ブルーサルビア(S.farinacea)とS.ロンギスピカタ(S.longispicata)との交配で作られたといわれる。
・英名は Indigo spires sage、園芸店では、ラベンダーセージ(Lavender Sage)で流通する。
・草丈は、50~150cm、横にも同じぐらい広がる。支柱を立て風対策をする。
・春先に剪定し草丈を低くして花を咲かせることが出来る。
・開花期は、6~10月と長期間咲く。咲き終わった花序をカットすると次から次へと花穂を伸ばし長期間咲き続ける。
・さし芽で殖やす。10月頃に剪定をかねて切った枝をさし芽する。
・冬場は、地上部を10cm程度残しカットし、腐葉土などでマルチングする。

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パイナップルミント(pineapple mint)の花

2009-07-28 07:27:19 | ミント
(写真)パイナップルミントの花


「パイナップルミント」は、クリームがかった白色の斑が入った葉と甘いフルーティーな香りに特色があり、ミントのバリエーションとして欠かせない人気がある。

この「パイナップルミント」は、「アップルミント(Mentha suaveolens)」の一品種であり耐寒性・耐暑性とも強く半日陰でも育つ丈夫なミントだ。

観賞用として栽培され、お奨めはしないが寄せ植えのアイテムに適している。
ミントを寄せ植えすると自然交雑し、種類がわからなくなってしまうので注意が必要だ。

また、株が古くなると斑が消えた緑の葉が出て来る。緑の葉は根元から切り取った方が良い。そのままにしておくと先祖帰りして株全体が緑になってしまう。

(写真)パイナップルミントの葉と花


パイナップルミント(pineapple mint)
・シソ科ハッカ属の耐寒性がある多年草
・学名は、Mentha suaveolens ‘Variegata’
・原産地は欧州南西部
・アップルミントの斑入り種をパイナップルミントと呼んでいる。
・草丈40cm程度で、甘い香りがあります。
・葉は卵状長楕円形で淡い白の班がある。
・開花期は6-8月

命名者:
Ehrhart, Jakob Friedrich (1742-1795)、1792年命名
ドイツの植物学者でウプサラ大学でリンネの弟子にあたる。植物名に最初に亜種(sbus)を使用した。後にハノーバー植物園の園長となる。

Host, Nicolaus Thomas (1761-1834)、1831年命名
オーストリアの医者・植物学者、ローマ帝国皇帝ニコラス二世の侍医。ベルベデールの最初の植物園長

Ledebour, Carl(Karl) Friedrich von (1785-1851)、1849年命名
ドイツ系エストニアの植物学者・エストニアの大学の教授でロシアの植物相を著述した最初の本を出版。
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カレープラント(Curry Plant)の花

2009-07-27 05:42:13 | その他のハーブ
(写真)カレープラントの花


カレーの匂いがするがカレーとは無縁で、銀色の葉と夏場に咲く黄金色の花を愉しむハーブであり、花壇の縁取り、ドライフラワーとして利用する。
料理用としてはあまり魅力がない。


原産地は、地中海沿岸の乾燥した岩肌・砂地であり、日本の高温多湿な梅雨時から夏場は苦手でもある。
この間は、雨のあたらない風通しの良い軒下とか木陰で管理すると良い。

同じキク科である「サントリナ(Cotton Lavender)」と姿かたち性質が良く似ているが、高温多湿に弱い植物は育てるのが難しい。
この「カレープラント」もやっとのことで花が咲き、続きのつぼみが見えないのでこれでお終いのようだ。


「カレープラント」の命名者
ドン(Don, George 1798-1856)は、父親の庭園で見習いとして働き、彼が18歳の時の1816年にはチェルシーガーデンの主任ガーデナーとなり、1821年には王立園芸協会のプラントハンターとしてアフリカ・アメリカに派遣された。

彼は、1823年にロンドンに戻るが、この間にカナリー諸島、ケープ、ヴェルデ諸島を探検し、1822年7月にはブラジルに到着した。その後ギニア、メキシコのシェラ・レオネで植物採取をしここで多数の新種を発見した。
ジャアマイカ、キューバ、米国東沿岸を探検し太平洋を渡ってイギリスに戻った。

彼が採取した多くの植物は、ロンドンの王立園芸協会の書記で弁護士のサバイン(Joseph Sabine 1770 -1837)が発表し名誉を横取りしたようでもあるが、メキシコのシェラ・レオネで発見した新種は、しっかりとドンが発表したという。

プラントハンティングも18世紀中頃は、キュー王立植物園が英国王室の予算で実施したが、19世紀に入ると園芸協会、ナーサリー(育種園)が派遣するようになり、中国・日本・南米などが舞台となる。

「カレープラント」と命名者ドンとの関係は良くわからないが、1831年にリンネ協会のフェローに選ばれるほどの貢献があったので身内のお手盛り的に献じられたのだろう。

        

カレープラント(Curry Plant)
・キク科ムギワラギク属の半耐寒性の低木
・学名は、Helichrysum italicum ( Roth ) G.Don 。属名のHelichrysumは、“太陽”“金色”という意味。英名はCurry Plant。
・原産地はヨーロッパ南部、地中海沿岸地域の岩が多い砂地の乾燥したところに自生する。
・丈が40-50cmでラベンダーのような銀灰色の葉からはカレーの香りがする。
・開花期は7-9月で銀灰色の茎の先に黄色の花が咲く。
・乾燥気味に育てる。
・花の後に刈り込む。
・挿し木・株わけで殖やす。
・やけど用の軟膏、カビ防止剤として使われてきたハーブで、花・つぼみは煮物の最後に入れる香り付けとしても使われる。(いまはあまり利用されていない。)


命名者:
Roth, Albrecht Wilhelm (1757-1834)
ドイツの医者・植物学者、インドの植物相の著作者。

Don, George (1798-1856)
スコットランドの植物学者・プラントハンター。1821年に王立園芸協会からブラジル、西インド諸島、メキシコ・シエラレオネ等に派遣されたプラントハンター。

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サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)の花

2009-07-26 09:06:26 | セージ&サルビア
(写真)サルビア・ウリギノーサの花


「ボッグセージ(Bog Sage)」とも呼ばれるサルビアは、ブラジル、パラナ州の800-1000mの高地の湿地帯で自生しているのを発見され、1833年にイギリスの植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって「サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)」と命名された。

この花は、南米ブラジルからアルゼンチンまでの湿地帯で自生し、次から次へと花穂を伸ばし、淡い空色の花を初夏から晩秋まで咲かせる。湿地(ボッグBog)で咲くので、ボッグセージという英名がついた。

この淡い空色の花色は、アルゼンチンのスカイブルーの色合いであり、冷涼感があり、夏日には気持ちの良い涼をもたらす。
が、陽の光がない真っ暗な肌寒い時は、何ともいえないもの寂しさをもたらす。

湿った土壌が適地だが、いつのまにか乾燥にも強くなり適応力があるようになった。

(写真)サルビア・ウリギノーサの葉と花
        

サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)又はボックセージ(Bog Sage)
・シソ科アキギリ属の多年草。耐寒性・耐暑性強い。
・学名、サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)。英名ボッグセージ(Bog sage)
・原産地はブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンなどの南米
・ボック(湿地、沼地)に生息。
・開花期は、6月~11月と長く、ソライロの美しい花が次から次へと咲く。
・夏場は水切れしないように腐葉土・ワラなどで根元をマルチングする。
・冬場は、花後に根元から10cm程度を残しカットし、霜対策で根元をマルチングする。
・草丈50~80cm。台風の時期は支柱を立てる必要あり。
・地下茎で繁殖し、繁殖力旺盛なので枝を整理する。鉢植えの場合は根づまりに注意。
・株分け、さし芽で増やせる。花後の10月にさし芽をつくったが関東以西ならば比較的容易に栽培できる。

        

ボッグセージの発見と命名
このボッグセージは、1830年にブラジルで発見されたが、採取者はわかっていない。
この頃には、民間の栽培業者(ナーセリー)がプラントハンターを派遣するようになってきたので、記録に残らない無名のハンターであったのかもわからない。

或いは、
南アフリカでガザニアを発見したバーチェル・ウイリアム(Burchell, William John 1781-1863)かもわからない。

彼は1825~1830年にブラジルを旅行し、20,000以上の昆虫を含む多数の標本を集めた。
これらは全て紛失しているようだが、時期的にはピッタリであり可能性がありそうだ。

珍しい、美しいに価値を見つけた新種の花の発見は、薬用とか経済的に有益である価値観から外れており、経験と蓄積が必要な時代であり、ガザニアを発見したバーチェルなら、ボッグセージの素晴らしさも理解出来たろう。

種の発見者はわかっていないが、命名者は明確であり、学名 サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)は、英国の植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって命名された。

彼は、カール・フォン・リンネ(Carl von Linné 1707-1778)が提唱した生物界全体の体系に対して、リンネの体系の人為的に分類しすぎている問題を解決するために、
進化のプロセスを取り入れた系統的な分類法を提唱し、一部では、19世紀最大の植物学者とも評価されているようだ。
現在では、さらにDNA鑑定などを取り入れ、系統的な分類体系が検証されている。

このようなことは、日常の園芸ではあまり関係がないが、園芸業者にとっては、品種改良などで気にしておかなければならないことだろう。

また、ベンサムの活動に敬意を払い、ヤマボウシの属名に彼の名前がつけられているが、
このことには驚いた。ヤマボウシの学名は、Benthamidia japonica (Sieb.et Zucc.) Haraだが、なんだか盗まれた感が否めない。

西洋から見れば発見だが、原産国から見れば盗用、無断利用、権利侵害であり、ここを我慢して記録・歴史を学習する必要がある。
また、世界の美しい花の恩恵を享受している現実を否定してかかる必要もないだろう。
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ペニーロイヤルミント(Penny royal Mint)の花

2009-07-25 10:56:48 | ミント
(写真)ペニーロイヤルミントの花


ミントの花で一番好きなのが「ペニーロイヤルミント」の花で、淡い赤紫の花が丸まって茎に連なり、団子が串刺しされているところがなかなかいい。
このミントは、匍匐性があるため地面を這う傾向があるが、直立した場合は、この姿がユーモラスで愛嬌がある。

ギリシャ・ローマの時代には料理に使われていたミントであり、美食家で有名な「アピキウスの料理書」にもこのミントを使ったレシピが書かれている。

しかしながらそのユーモラスな姿からはうかがい知れないほど結構強いハッカのにおいがするので、ノミ・ねずみなどの駆除剤として使われている。

1994年にこのミントティーを常用していた若い女性が子宮外妊娠で死亡する事があり、妊娠時の女性の飲用は危険であることが指摘され、現在では肝障害を引き起こすことも指摘されている。

料理やハーブティーでの「ペニーロイヤルミント」の使用は、避けておいたほうがよさそうだ。

とはいえ、毒は薬でもあり花壇では花を楽しむ以外に、虫除けとして大事な植物の近くに置くとよい。
タイム、サントリナ、スイートバジルなどと組み合わせて配置すると、虫を忌避する効果がある。

さすがに昔から魔女の花輪を作る際の主要な花だけあって、花壇にこの花を植えておくと“邪悪”から身を守ってくれるというだけの力を持っている。

(写真)ペニーロイヤルミントの立ち姿
        

ペニーロイヤルミント(Penny royal Mint)
・シソ科ハッカ属の耐寒性が弱い多年草。
・学名は、Mentha pulegium L.(メンタ・プレギウム)。種小名のpulegiumは、“ノミ”を意味する“pelux”が語源。英名がPenny royal Mint、和名はメグサハッカ。
・原産地は西ヨーロッパ、中央ヨーロッパの湿った草原、砂地。
・草丈15cm程度で、ほふく性がある。
・冬場は、霜があたらない屋根の下などで腐葉土でマルチングする。
・苦くツンとくる強い香りがあり、ねずみ・虫除けなどで使用。料理には使わない方が良い。
・香りのグランドカバーに適している。

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夏野菜と鶏肉のゴマダレサラダ風な炒めもの

2009-07-24 07:50:57 | 男の料理
気分転換に昨日の男の手抜き料理を書いてみる。書くつもりがなかったので写真はあわてて残り物を集めて撮り、こんな感じというレベルになる。

(写真)夏野菜と鶏肉の炒め(ゴマダレはかかっていません)


夏野菜が豊富になってきた。サラダだけではなく和風の炒め物を作ってみたくなり、キュウリ、ズッキーニ、サヤエンドウを使った鶏肉との炒め物を作ってみた。

鶏肉は一度ソティーをして皮をパリパリに仕立て、夏野菜はシャキシャキ感を生かして軽く火を入れ、味付けはからませにくいのでゴマダレのドレッシング風にした。

水分が豊富なアッサリした中にゴマの風味と酸味、鶏肉の皮のパリパリ感がマッチし簡単だがちょっといけそうだ。
お試しあれ!

<材 料>
・鶏モモ肉         2枚(500グラム)
・塩・コショウ       適量
・小麦粉          適量
(夏野菜)
・キュウリ         2本
・ズッキーニ        1本
・サヤエンドウ       10本程度
・塩・コショウ       適量(塩は小さじ1/2程度の少なめに)
・粉山椒          適量
(ドレッシング)
・ゴマ(白)        大さじ4杯
・酢            大さじ4杯
・醤油           50㏄
・味りん          50㏄
・砂糖           一つまみ
※醤油1:味りん1の割合に昆布5cm程度を容器に入れ、あわせ調味料を作っておくとよい。(冷蔵庫で一晩ねかせると結構重宝して使える。)

<作り方>
1.鶏肉に塩・コショウをしておく。
2.サヤエンドウは筋を取り食べやすい大きさに切り、軽く塩茹でしておく。
3.キュウリは細長い乱切り、ズッキーニは輪切りにする。
4.ゴマをすりここに酢、醤油、味りん、砂糖一つまみをいれ混ぜ合わせドレッシングを作る。
5.鶏肉の筋を切り小麦粉をまぶして、油を引いたフライパンで皮面を下に焦げ目がつくまで焼き、反対面にも火を入れる。全体的にパリパリ感に仕立てる。
6.ペーパータオルを敷いたまな板で余分な油を取りながら、一口大にカットする。
7.鶏肉を取り出したフライパンの汚れを取り、キュウリ、ズッキーニ、サヤエンドウを強めの火でサッと炒める。塩・コショウで味を整え山椒を適量かける。
8.炒めた野菜と切り分けた鶏肉を盛り付け、ゴマドレッシングをかける。(ゴマのドレッシングは市販のモノでも良さそうだ。)

<評 価>
夏野菜を使った温かいサラダです。これに、パリパリの鶏肉が加わり、ゴマのドレッシングが融合させるので、サラダから夏野菜の炒め物に変わります。
注意するところは二点で、
生のキュウリをたべた胃もたれ感が食後に残るので、キュウリは細長い乱切りにするにしても小さ目が良さそうだ。
全体的に味が薄いので、酸味を好むかたは、ドレッシングの酢をもっと多めにしたほうが良さそうだ。

汁物は、昨日作ったカブ、サトイモ、ニンジン、きのこ類を無調整の豆乳で炊き合わせたスープを冷蔵庫で冷やしたものですが、夏はこんなモノがいいですね。
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クリーピングタイム白花(Creeping Thyme ’albus’)の花

2009-07-23 08:47:07 | その他のハーブ
(写真)香りのじゅうたん


「クリーピングタイム」の白い花のじゅうたんが出来た。
半日陰から日向に向かって匍匐をして、レモンタイム、ゴールデンレモンタイムを飲みこみ、もう直ぐコモンタイムのところまでたどり着く。
レモンタイムを守るために刈り込んだが、ちょっと目を離していた期間に刈り込みにくいほど勢力を拡大してしまった。今年のこの伸張は目を見張るものがある。

「クリーピングタイム」は、別名ワイルドタイム、マザーオブタイムとも呼ばれるようにヨーロッパ。北アフリカなどに自生する匍匐性を代表するタイムで、赤色の花と白色の花がある。

白花のクリーピングタイムは、より匍匐力が強く、5センチ程度の高さで茎が地面を覆いつくすように広がっていく。これで木なのだから驚く。

(写真)クリーピングタイム・白花の花


タイムは約350種あるそうだが、地中海周辺が原産地で、古代ギリシャ・ローマ時代から薬用植物として親しまれてきており、歴史に磨かれた安心感のあるハーブだ。

中世時代には、姿・香りのすがすがしさから、貴婦人が、十字軍で遠征する騎士へタイムの小枝で縁取られたスカーフを贈ったそうだ。
ちょっと前の日本のよき時代にも、四葉のクローバーの押し花を手紙に添えるなど似たような行為があったが、古の方は二度と会えないかもしれないというお別れの形見という重いものであったが、現代の方は春の雪のように淡いものなのかもしれない。

さらに時代が進むと、
若い少女たちの守護聖人聖アグネス(Saint Agnes 291-304年1月21日)祭のイブに、片方の靴にローズマリーの小枝を、もう一方の靴にタイムの小枝を入れておくと、何と未来の夫が見えるという。

この迷信は、イギリスの詩人キーツ(John Keats 1795-1821)の長編詩「The Eve of St. Agnes」(1820年出版)にも採りあげられ、迷信に魂を吹き込んでしまったようだ。

ローズマリー、タイムは、18世紀頃には少女をもときめかせるハーブとなったようだが、この迷信は、カトリック教徒でなくとも信じて試す価値があるような気がする。
意志の強さで見たいものを見るのか、意識下にあった意外なものを見るのか試してもらいたいものだ。

さて、少女以外のヒトは、安眠促進のために枕の下に敷くなどタイムの香りを活用すると良いだろう。きっと嫌な夢は見ないですむだろう。

(写真)一ヶ月前の花


クリーピングタイム白花(Creeping Thyme ’albus’)
・シソ科・イブキジャコウソウ属の常緑小低木。
・学名は、Thymus serpyllum L. var. albus。別名は、マザーオブタイム・ワイルドタイム。
・原産地 ヨーロッパ
・草丈5~10㎝でほふく性がある。
・開花期: 6~7月、白い小花を数多く咲かせる。
・耐寒性強いので、庭で栽培できる。
・クリーピングタイムの生育は早く、グランドカバーとしても最適。
・乾燥気味に育てるので、日差しの強いところでも育つ。
・湿気に弱いので、刈り込むなど手を入れる。

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ホワイトペッパーミント(White Peppermint)の花

2009-07-22 08:01:35 | ミント
(写真)ホワイトペッパーミントの花


ヒトに有用な植物の花は意外と控えめなものが多い。
野菜類の花がそうだし、ルッコラスイートバジルオリーブなども控えめだった。

ミント系は、もっと控えめな花を持つ植物かもわからない。その有用性はいまさら言うまでもなく生活に密着したハーブとなっている。

胃・頭をスッキリさせるメントール効果だけでなく、ペパーミントには殺菌効果があることがわかり注目されている。
食品の防腐だけでなくいま話題のインフルエンザ対策のうがいなどにも使えそうだ。

「ペパーミント」は、ウオーターミントとスペアミントの交雑種で約29種の雑種・園芸品種があり一大勢力を形成している。ブラックペッパーミント、ホワイトペッパーミントもこの仲間だ。

「ホワイトペッパーミント」は、「ペパーミント」よりもマイルドで香りも柔らかい。
生の葉を4ー5枚摘んできて、虫食い・枯れた部分を取り除き水洗いする。ティーカップに入れ一杯分のお湯を注ぎ10分間ふたを閉めて煮出す。

これで香り豊かなペパーミントティーが出来上がる。
気分爽快となることは間違いないが、注意点は、母乳の分泌を押さえる作用があるので授乳期の女性と妊婦は飲まない方が良い。

育て方は、水切れに注意するだけで耐寒性もあるので意外と簡単だ。
ただ、ミントは自然交雑し雑種化しやすいので、混裁は避け別々に地植えするか鉢で管理するのが良さそうだ。別々に植えるメリットとして殺菌効果が期待できるので、病気の予防としてのコンパニオンプランツとしても生かせる。

(写真)ホワイトペッパーミントの葉と花
        

ホワイトペッパーミント(White Peppermint)
・シソ科ミント属の耐寒性がある多年草。
・学名は、Mentha x piperita officinalis.L.。英名はホワイトペッパーミント(White Peppermint)
・ペパーミントは、ウオーターミントとスペアミント(M. aquatica x M. spicata) の自然交雑種で英国の湿った土壌で発見された。
・草丈40‐100㎝
・開花期は7月から9月で、穂状の花序に白い細かい花を咲かせる。
・湿った酸性土壌が適し、半日陰でも育つ。
・ペッパーミントはお菓子の材料として使われるが、ホワイトペッパーミントは香りがマイルドなので、サラダなど料理用ミントとして使える。
・殺菌効果があるので、キャベツ・トマトのコンパニオンプランツとして有効のようだ。
・妊婦は食しないこと。

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