「日本に、京都があって よかった」のポスターは、毎年何枚かつくられる。世界の歴史文化・観光都市としての京都。世界からの観光客も多い。2014年から16年までの3年間、3年連続で「世界NO1観光都市」にも選ばれている。京都は、やはり桜の季節が最も美しい。京都の桜は多くの場所では3月下旬から4月中旬までだが、中旬になってからは仁和寺や原谷苑の桜などが素晴らしいし、比叡山の八重桜並木などは4月20日ころから5月上旬までが最も見ごろとなる。
中国でパソコンを使っていると、勝手にパソコン画面にさまざまな映像が入って来る。京都に関しては、東山の清水寺近くの二年坂と枝垂桜、清水寺の夜景がよく出てくる。
私が最も京都でいいなあと思う場所は鴨川(賀茂川)とその周辺だ。「京都に、鴨川があって よかった」である。山紫水明の京都を訪れる中国人観光客は年々増加してきているが、中国のインターネット記事では、京都の観光スポットをどのように紹介しているのだろうか。インターネットやITが日本以上に発達している中国から観光客はこのような記事や口コミ記事などを参考にしていることが多いのは日本以上である。ある記事で、京都の「京都景点TOP10(観光スポット)」「京都夜生活(夜の観光活動・食事)TOP10」「京都活動精選TOP10」が紹介されていた。
—❶「京都景点TOP10」―10―「京都錦市場」9―「嵯峨野竹林」8―「天龍寺」7―「二条城」6―「祇園」
5―「金閣寺」4―「伏見稲荷」3―「京都タワー」2―「嵐山」、そして1位は「清水寺」
❷「京都夜生活TOP10」―10―「探訪京都本地 酒場・酒バー」 9―「京都夜生活 清酒・料理嗜好」 8―「京都OPEN MIC之夜」(ミュージックライブ) 7―「京都老街街頭美食之旅」(先斗町・木屋町界隈の夜) 6―「京都祇園&鴨川夜晩美食之旅」 5―「私人予約芸妓盛宴」(舞妓や芸妓との酒宴)
4—「光悦芸術村&東山山頂公園夜景」(将軍塚からの夜景) 3―「京都夜店巡遊」 2―「THE BAR」 そして1位は「WORLD—KYOTO」(※私はここを知らないが)
❸―「京都活動精選TOP10」 10―「京都金毘羅山攀岩体験」(ロッククライミング) 9―「日式居酒屋料理学堂」(日本式居酒屋) 8―「京都タワー」 7―「奈良親親小鹿&和服体験」(※なぜか、これは奈良公園だが) 6―「京都嵯峨野馬車観光」
5―「南禅寺・順正、伝統豆腐会席料理」 4—「京都嵐山人力車」 3―「玄品ふぐ(河豚)料理店・祇園」 2―「桜京都 和服体験」、そして1位は「京都和服体験 夢館」
◆京都はさまざまな歴史文化観光スポットだけでなく、夜の「先斗町・祇園・木屋町」界隈などの1万件にものぼる夜の密集した店があるのは、世界の観光都市の中でもすごいところだ。先斗町の夜景と料理店などの光景は世界に比類がなく、「世界遺産」に認定されてもよい場所だ。4月には、京都花街の「をどり」が行われる。(祇園の「都をどり」は4/1~4/27、宮川町の「京をどり」は4/1~4/16、上七軒の「北野をどり」は3/25〜4/7。他に先斗町の歌舞練場でも「鴨川をどり」が上演される。)これは外国人観光客が見ても興味を十分に惹きつけるイベントだ。
しかし、この4月以外の月にはこのようなイベントといえば、5月の「葵祭」・7月の「祇園祭」・8月の「五山の送り火」・10月の「時代祭」。夜に1年間をとおして行われるのは、祇園歌舞練場で行われている「京都コーナー(1時間ぐらいで、京都の伝統芸能や茶道や踊りなどが行われる)」があるだけなのだが、これをもっと大規模で迫力のあるより魅力的なイベントにしていったらいいなあと思う。
◆やはり、京都の一番の魅力は「鴨川」だ。この鴨川界隈のことを、中国のネット記事はもっと取り上げてもらいたいと思っている。そして、市街地から北山方面に20分ほどいけば、八瀬や保津峡や清滝や鴨川源流雲ケ畑や鞍馬など、さまざまなところに渓流があることだ。これらも素晴らしい。かやぶきなど、日本の原風景を残す丹波山地の京北町や美山町も近い。
2014年から2018年までの「京都での外国人労働者数と雇用事業所数のグラフ」を見ると、労働者数は8000人から1万7000人に増加し、雇用事業所は1800から3200に増加している。2008年から2017年までの留学生数は、4688人から8317人へと増加している。その内訳は、中国4300人、韓国1296人、台湾355人、その他・インドネシアやベトナムやタイなど。
また、IT関連企業の拠点を東京から京町屋にラボを移す事業所も増えている。全国チェーン展開をしている「喫茶店」も最近ぞくぞくと増えている。もともと京都は「喫茶店」の多い街であり、大学と学生の街でもある。伝統を大切にする中にも常に新しさを求める街である。「日本に、京都があって よかった。京都に、鴨川があって よかった。そして、京都に、たくさんの大学と学生たちがあって よかった。」
来年の春、今年に増して、京都にもたくさんの中国など中華圏の人々が訪れるだろう。京都のさまざまな魅力を知ってほしいと思う。そして、留学先にも京都にはいろいろな大学があり、京都で留学生活を送る(大学院生)すばらしさを、これからも学生に伝えていきたい。