彦四郎の中国生活

中国滞在記

もう、紫陽花(アジサイ)の花が開花し色をつけてきている―福州「白塔」の夜景を背景に人民広場での舞踊

2019-04-29 12:43:10 | 滞在記

 日本は「平成」の4月27(土)から「令和」となる5月6日(月)までの10連休に入っているところだが、中国は5月1日(水)の労働節(メーデー)から5月4日(土)の青年節をはさんで5月5日(日)までの5日間の連休となる。私は毎年この時期に日本に一時帰国をしているが、今年は、明日30日は担当授業がない曜日なので、4月30日(火)から5月9日(木)まで帰国する予定となった。

 帰国の目的の一つはかかりつけの3つの医院(歯科・胃腸科・皮膚科)に行き、治療を受けたり薬を多めにもらったりすることだ。しかし、今年は、ほとんどの医院は10連休の間は休診、このため連休明けの5月7日と8日は医院のはしごとなる。

 日本への知人への土産にと、福州特産の「茉莉花茶(ジャスミン茶)」を買いに福州の古街(古鎮)である「三坊七巷」に夕方5時ころに行った。さまざまな種類のジャスミン茶を販売している「福州茉莉花茶文化館」に行くと、館の入り口に植えられているジャスミンは小さな白い蕾(つぼみ)をたくさんつけて膨らみ始めていた。開花している花も何輪かあった。館内に入って行くと奥庭に水仙の花が満開となっている。今はもう初夏の季節なのでジャスミンの花が咲き始めているのだが、日本では真冬と春先に花を咲かせる水仙が、今 ここで開花しているのに 不思議な思いがする。

 ジャスミン茶を何箱か買って、三坊七巷の古街の入り口に行くと、北京同仁堂(中国で最も歴史がある漢方薬店)の朱塗りの建物。中国風の長くて大きな石造りの水鉢に水草が浮かぶ。このような石の鉢を使った仕様は、中国人の美意識でもって得意とするものだ。

 もう紫陽花(アジサイ)の花ができて色づき始めている。しばらく歩いたところにあるアジサイは、はっきりとした赤と薄い水色の色をつけて満開となっていた。まだ4月下旬なのだが、日本より1か月半ほど以上季節の推移が早い亜熱帯の福州。

 1週間ほど前の4月20日頃から福州の地下鉄2号線が開通し乗客を乗せ始めた。福州を南北につなぐのが1号線で2年ほど前に完成、このたびは東西につなぐ2号線。私が福州に赴任した2013年から始まった地下鉄造営工事だが、将来的には6号線までを造営予定だ。「一帯一路」政策の海の新シルクロードの拠点港湾都市としてこれからも発展していくのだろう。

 この地下鉄造営工事は巨大なプロジェクトだが、地方からの出稼ぎ「農民工」が多く工事にかかわってきている。女性の農民工も多く、スコップを持ってバスに乗り込んでくる姿もよく見られる。「五一広場(人民広場)」近くの地下鉄駅が完成し、地下鉄駅出口周辺の整備が進められている。花が咲く樹木を植え、花壇をつくるなどの作業は、女性たちの姿が多い。スコップで土を盛る姿など、たくましい。

 人民広場の北側には丘のような「宇山(うさん)」がある。麓には白い塔が美しい「白塔寺」がある。久しぶりに境内に入ってお参りをした。大きな仏たちが鎮座されている。

 この日の午後7時すぎ、閩江大学を2017年6月に卒業し、卒業後は広東省の深圳(しんせん)にある日系企業(パナソニックの関連会社)で、通訳・翻訳・経理などの仕事をしている楊思童 君と 人民広場で待ち合わせをすることになっていた。4日間の休みがとれたので新幹線で福州にやってきていた。「先生に会って会食をしたい」とのことで、彼の友人も一緒に来るようだった。

 20分ほど前に人民広場に着いたので、ベンチに座って広場の人々の様子をながめていた。日が落ちて、白塔がライトアップされ始めた。いくつかのグループが、広場でダンスや体操や舞踊を音楽に合わせて行っていた。民族音楽、ポップ音楽などさまざまな曲があちこちで大きな音量と共に同時に交差する。白塔を背景にして、踊っている人達。中国全土で、このような広場ダンス・舞踊が週末には特に繰り広げられる。

 この日、楊思童君と彼の友人である潘さん(私とは初対面)と3人で、人民広場近くにある日本料理店「古都」で乾杯をした。潘さんは、私が中国に初めて赴任した2013年9月より3カ月前の6月に、閩江大学の経済・経営学部を卒業。出身は福州市。趣味で勉強してきたという日本語はかなり上手。日本語検定試験N2(2級)にも合格しているようだ。

 彼は卒業後、福州にある「ゲームソフト創作会社」に勤めていて、主に業界紙(ゲーム関連)の作成部門にいるようだ。世界におけるゲーム制作の様子について、「アメリカと日本が今も優勢な状況で、中国はこのゲーム分野では、創造性や映像に欠点があり、それを克服できず 後進のままです」と話していた。

 「古都」に来るのは1年ぶりくらいだが、2時間ほど飲食をしながら話していると、この日本料理店の老板(ラオバン・経営者)である鄭霞さんが、「寺坂さん、明後日に日本に帰国するなら、すみませんが、このTシャツ2枚を、京都市山科区に住んでいる妹に届けてくれませんか」と依頼されたので荷物を引く受けた。また、この店でアルバイトができる女子学生を紹介してほしいと頼まれた。地下鉄2号線の開通で、郊外にある大学から市内でのアルパイ通勤が便利にもなった。大学寮の門限は午後11時だが、新しく開通した地下鉄を利用すれば門限に余裕をもって寮にもどれるかと思う。

 2019年、今年の9月に中国北京に巨大な国際空港が開港する。「北京大興国際空港」だ。通称「ヒトデ(中国語では、海星)」。5つのターミナルをヒトデの足のようにもつ巨大空港だ。将来的には年間に1億人以上の利用者を目指している。北京にはすでに「北京首都国際空港」(3つのターミナル)がありこれは現在世界一の規模の空港なので、新しい空港が完成すると世界1位と2位の国際空港が北京にできることとなる。

 巨大なハブ空港の出現により「アジアの旅客航空機の空の覇権」も中国はにぎることになりそうだ。いままで東アジアのハブ空港としては韓国の「仁川国際空港」の存在が大きかったが、北京での巨大空港の出現によりその地位は大きく低下することとなる。