3月24日(日)、午前中は故宮(紫禁城)、午後は北海公園や頤和園を巡って、午後5時ころにホテルに戻って1時間あまりの休憩をとった。前日に電話で予約していた朝陽門近くの「朝陽劇場」にタクシーで向かう。6時半に劇場前で予約していたチケットを受け取ることになっていた。旅行ガイド本『地球の歩き方』の2013年度版には、この「朝陽劇場」のチケット予約を日本語対応予約できる電話番号が書かれてあったので昨年にひきつづきこれを利用した。料金は180元〜880元の間に6つのコースがあったが、380元(約6000円)を予約した。妻は雑技団を観るのは初めてなので楽しみにしていた。
朝陽劇場は、各国の大統領や首脳を含め、これまでに300万人以上が訪れたといわれる北京随一の雑技劇場。(※日本の首相では村山首相など) 中国国内屈指のいくつかの雑技団が、レベルの高い演技を毎日6〜10演目上演している。この日の雑技団は、中国四川省の遂寧市雑技団が公演をしていた。2017年の中国の「晩安」(中国の春節前日の大晦日に放送される「日本の紅白歌合戦」のような超大型番組)にもこの雑技団は出場したようだ。
午後7時に開演した。オープニングの第1幕は四川省の古代の歴史にまつわる幽玄で華麗な女性たちの地上舞と空中の柔軟性のあるアクロバット舞。
あっという間に舞台が転換される。第二幕は、大きな観音菩薩が背景に映し出される中、印度的な女性たちの華麗な舞とアクロバット舞が繰り出される。なんたる柔軟性。この演目が「晩安」で紹介されたようだ。素晴らしい演技に感嘆させられた。演技をしている子の中には中学1年生くらいの幼い顔立ちの子もいる。毎日が ミスをうまないように練習に重ねているのだろう。けなげでもある。
第三幕は10人ほどの男性たちが繰り広げる帽子を使った雑技だが、コミカルな面白さがある。一つの小さなミスもない完璧な演技。続いて第四幕は男性一人・女性一人の空中アクロバット。一本の空中ロープを使って演技が繰り広げられる。第五幕は、これも一本のロープの上で繰り広げられる綱渡り。背景は中国の田舎の風景が広がる。絶妙のバランス感覚は人間技とは思えない。幕間はほとんどなく、瞬間的に場面が切り替わる。
続いで第六幕は、女性たちの自転車を使った集団雑技アクロバット。11人ほどが1台の自転車に最後は乗ってステージを走り廻る。これもすごい練習の積み重ねなのだろうが、一分のミスもない。第七幕は、空中での2つの回る大型リングを使った男性二人の演技。これも超バランス感覚を要するが、一瞬のすきもない演技。第八幕は女性たちの大きな太鼓を足で回す演技。可愛らしくコミカル性のある演技だ。
第九幕は、オートバイが丸い球形の鋼鉄の中に入って疾走し合う演技。最後には8台が小さな球の中で 衝突することなく疾走していた。まあ、命がけの演技だ。
第10幕は全員が出場するフィナーレ。昨年の同じころに、この朝陽劇場で雑技団の演技を初めて観たが、昨年の雑技団よりも今年の四川省の雑技団のほうがかなり優れていると感じた。息もつかせぬ、一つの小さなミスもない妙技を観た。公演時間は1時間半ほどだった。
◆中国北京といえば、「京劇」が有名だが、まだ京劇を観たことはない。しかし、福建省の「閩劇」などを観ると、京劇的な要素がふんだんにはいっている。北京では「梨園劇場」や「湖広会館」などで京劇が上演されている。(※いずれも、日本語での予約が可能なようだ。)