長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

花は散り始め、祭りも千秋楽・・

2009-04-09 08:17:28 | Weblog
「4人の素材展」が無事千秋楽を迎えた。エンディングは、N響のやまねさんと、ピアノの大宅さんが、クラシックコンサートをやってくれた。いつもテレビで拝見するやまねさん、大きなコンサートホールで
演奏している人が、長屋の片隅に座って、静かにクラリネットを奏でている。「生やまね」。観客は15名限定。なんと贅沢なことだろう。
やまねさんさんは、お店が工事中に前を通って、「ここは何ができるのだろう」と思ったらしい。そしてある日、勇気をもって、扉をあけて
入ってくれた。奥さんはクラシックオーボエのかよちゃんで、何度も
コンサートをやってくれたし、5月10日の「墨田ぶらり下町音楽祭」
の中心人物でもある。「志あるひとが行動すれば、街がかわる」というのを実感させられる。

大宅さんは臨月を迎えていて、胎教みたいな素敵でやさしいピアノを演奏してくれた。お母さんのおなかの中で、そのすぐ前にピアノがあって、そのすぐ横で、クラリネットが鳴っていて、後にお客さんたちの感動した拍手を感じながら、この世に
生まれようとしている。なんともいい人生を選択したものだ。そして、そんな風景
を目の辺りにするぼくたちも、心も洗濯されるようだ。

5月18日(月)も、やまねさん、大宅さん(昨日のおおやさんのお兄さん。
ちょうどその時ベルギーから一時帰国される)、チェロで、コンサートを
やります。蕎麦会つきで4000円。はやいもんじゅん! 感謝

プラチナはしご

2009-04-08 06:19:13 | Weblog
いこうが、こちら側にもある。
角居君のスズのちろりと、おくさんの陶器の
夫婦のコラボでつくった「熱燗器」は、あつかん、いや圧巻だ。
錫は昔から茶器などに使われているけど、公家や皇室などでは
「どく消し」の意味からも、よく使われているらしい。
確かに水を入れても味がかわるし、お酒を入れても変る。
10日には、「お酒の寺子屋」があるけど、その時に、なうての
利き酒したちにも、違いを体験してもらおうと思う。

政治も経済も「へたりこみ」みたいな様相になってきた。けど
やはり、元気に毎日を生きていかねばならない。
毎朝のごはんを、おいしく食べる。そのためには、電気炊飯器よりも
土鍋で焚いたほうが、10倍うまい。ひとり暮らしの人は、それで
2合たいて、残りをおむすびにして、お弁当にしたらいい。
もしくは、買えってきて、雑炊やおかゆにしてもいい。

お酒も錫のチロリか、備前の徳利に入れるだけで、ワンランク酒がうまくなる。
それにお気に入りのまいぐいのみに注ぐ。これだけでも、そんじょそこらの
居酒屋には負けないうまさになる。できたら折敷なんかがあれば、いい。
それをおくちゃぶ台なんかがあれば、そこは天守閣みたいな空間になる。
ときどきお酌でもしてくれる相手がいれば、そこは壺中天。

今日はグループ展の千秋楽。
N響の音楽家たちが、クラシックな夜を奏でてくれる。
5月10日は、日がな、梯子をして音楽祭がある。
シャッター通りではあるが、天真庵とSPICE CAFEを
はしごするのを「ゴールデンはしご」という。
4箇所をはしごでき、しかもどこでも本格的な音楽がきける
のは「プラチナ梯子」かも?

いこう

2009-04-07 07:07:17 | Weblog
般若君たちのグループ展も明日が最終日。
明日は、N響のやーさんたちが、クラシックの
コンサートで、千秋楽を迎える。なんとも
贅沢な1日。
二階の様子を少し紹介。「いこう」に
彼らの作品を並べてある。「衣こう」つまり、
着物を着るときに、襦袢とか帯とかをかけるものだ。
でも昔から、これに布などをまいて、屏風にしたり、
花器をぶらさげて、季節の花などを生けて、飾ったりしてきた。

昨日の朝、近くに住むヨッシーの家にテーブルを運んでいた、ら、
SPICE CAFEのおかあさんが、「半分もつわよ」
といって、手伝ってくれた。彼女は木工やさんに嫁いだので、
テーブルや建具を運ぶのは、朝飯前だ。
5月10日は、「墨田下町ぶらり音楽祭」が、SPICE CAFE
と天真庵と、その真中にある黒崎さんち、ともう一箇所でおこなわれる。
4箇所をはしごして、2000円也。黒川温泉の手形入浴券みたいなものだ。

般若君が・・・

2009-04-06 06:48:54 | Weblog
先日のライブで、初めて歌姫が登場したので、PAを
導入にした。19日に「もにじんライブ」をやってくれる
ギターのじんじんさんが機材を選んでくれて、前日にセット
してくれた。昭和20年にできた長屋に、ボーズのスピーカ
がついた。「コードをうまくはわせて、セットするのは、だれか
うまい人にお願いします」とじんじんさんが、笑いながら帰っていった。
ボーズからでたコードをうまくとめる。やはり、ボーズは般若君だ、
といわんばかりに、般若君が作業を始めた。「手作りライブハウスを作って
いるライブ」みたいで、あっという間に、二本のコードがピタリとおさまった。
めでたし、めでたし。坊主には、作務と作務衣がよくに会う!

坊主といえば、昨日もシンガポールのお坊さんが大日如来の木像をもって
遊びにきた。彼はたどたどしい日本語を静かに発するけど、体全体からオーラがで
ていている。



生まれて初めてのバイト

2009-04-05 06:49:39 | Weblog
先週母親の七回忌を迎えたユズが天真庵デビュー。
ちゃんと「まいエプロン」をもって、颯爽と登場。
まずは得意の掃除から始める。掃除機をかけ、テーブル
をていねいにふいた。おしぼりをまき、花器をテーブルにおいたり、
地パンを並べたり、手際よくこなしていった。まかないの「ナポリタン」
を仕込み、食べようかと思ったら、時間がギリギリになって、三組のお客さん
が表に並んだので、彼女だけが二階で食べることになった。
いきなり、社会勉強になる。もたもたしていると、食べることができないのだ。

二階でグループ展をやっている、般若君も角居君も頭がスキンペッド。
坊主がふたり、二階の禅寺みたいな空間で、ときどき大きな声で笑って
いるのも気になる様子。最初は恐る恐るしていたけど、じょじょに慣れて
いった。

夕方にジャズライブをやってくれる「荒武軍団」がやってきた。
ピアノの荒武裕一朗君、ベースはガルビッシュ似の清水君、歌姫は
下関出身の国貞雅子さん。
素晴らしいライブだった。先日PAをセッティングしてくれた
じんじんさんに感謝。天真庵がまた一段昇華した感じ。
先月明治神宮で挙式した田呂丸君のジャンベも一段と磨き
がかかってきた。
今は桜が満開。それぞれの人生に「個の花」が咲くような時代。
土を耕し、新しい種をまき、水をあたえ、実りを待つ。
「平成」というのは、「平たく成る」という言霊だが、平に
なった地面に、どんな種を蒔くか?それぞれが考えて、行動
に移す、そんな時代がきたように思う。

天真庵の一周年記念に、荒武君をよんでくれたワカも、元気に
ライブを楽しんでいた。15人のお客さんの中に、3人の坊主。
なんとも慈悲深い空間にジャズの調べが心地よく流れた。
天恩感謝。


結界

2009-04-04 06:08:35 | Weblog
煎茶では、床の間と結界があれば、そこは茶室とみなされる。
床の間は、日本人が昔から家の中に置いた「小さな美術館」。
季節の軸を飾り、四季折々の花を生け、その中で筍のものを
いただく。つつましい中にも、自然の恵みに感謝したり、
自然からいろいろいな美意識を頂戴しながら、生き暮らしてきた。
花を飾る花器に、無釉の信楽や備前を好んで使ったのは、「土」
をイメージしたのだと思う。

天真庵の玄関の引き戸を開けるのは、少し勇気がいる。
般若君がつくってくれた引き戸の取っ手に「天真庵」
と刻印された取っ手がついている。これを作って
くれたのが、角居君だ。この扉は、やっぱり結界ではないかと思う。
人は、はやくもおそくもなく、出会うべき筍に、出会うべく場所で
出会う。それを演出するのは、人知を超えた世界、つまりこの現象の
世界の向こうにある世界のしわざではなかろうか。
時々おこる「偶然のような必然」を、ここで垣間見るたびに、つくづく
思う。
昨日も角井君がカウンターで、蕎麦を手繰っていたときに、事故のような
「必然」がおきた。1日この話で盛り上がった。
彼がつくってくれた茶合(さごう 煎茶をはかるもの)は、アボリ人の
オアシスの伝説をモチーフにしたものだ。人が旅をする。旅の途中途中に
オアシスで一休みする。その旅の出会いが、物語を紡ぎ、人生という
短い悲喜こもごもな旅の彩りを醸し出してくれる。そんな「水の流れ」
を感じるような模様だ。

今日は、今回のグループ展のオープニングのような「ジャズライブ」
がある。とっくに満席なのだが、荒武君がピアノをひいてくれる。
彼は一周年の時に、初めて天真庵でやってくれた。そして国定雅子
さんのゴスペルも初登場。十間橋通りにゴスペルが流れる日。
8日のエンディングは、やまねさんたちのの「クラシックライブ」。
残念ながら、これも満席御礼。

17日(土)には、馬場和子さんのジャズピアノライブ。あとひとり、かふたり空席あり。
18日(日)には、もにじんさんたちのライブ。これもあとひとりかふたり空席あり。




今日からはじまりはじまり

2009-04-03 06:15:16 | Weblog
昨日木曾から般若君がやってきた。
今日から、金沢ゆかりの四人のグループ展が始まる。
これまでは、毎年金沢でやっていたものだ。
般若君は、天真庵の玄関の引き戸を作ってくれた。カウンター
のイスや、二階にあるテーブル、茶箪笥、折敷なども彼の作品。
玄関の取っ手に、天真庵と銘打つものをつけてくれたのが角居君だ。
ぼくの茶道具の、茶合(お茶をはかるもの)や、茶托も角居君のもの。
彼のおくさんが陶芸家で、ふたりのコラボは、これまた絶妙だ。
そこに竹の職人、飯島さんが加わる。彼にはいずれ、茶箱を
つくってほしいと思う。

明日は、オープニングのジャズライブ。8日はエンディングの
クラシックコンサート。どちらも、満席御礼だが。

昨日は京橋で個展をやっている「升たか」さんにいった。
京橋で昔から骨董やや、ギャラリーが多い。
ちょうど升さんと入れ違いだった。今日は本人が朝から
つめているらしい。明日まで「SILVERS HELL」でやっている。



2年

2009-04-02 08:52:49 | Weblog
正式にオープンして、昨日が二周年だった。
オープニングの時に、たこ焼きを焼いてくれた
陶芸家の渡辺愛子さんが、昨日「おめでとう」
と関西弁でいいにきてくれた。彼女は、
押上で土をこね、それを伊賀の窯場まで車で焼く、
という生活をして2周年。2007年の正月は、まだ
厨房ができていない天真庵で、「あけましておもめでとう」と
田酒を飲んだ。こないだは「堂島ギャラリー」で個展をやり、
今月23日からは、池袋の東武デパートで個展をやる。
彼女の無釉の「うずくまる」はますます磨きがかかってきた。

二階に「木庵」の書を飾ってみた。掛軸を変えただけで、
その部屋の雰囲気が変る。彼岸桜も満開になった。
昨日は赤松林太郎君のピアノがトリフォニーホールであった。
錦糸公園の桜はまだ五分といったところだったが、彼の
奏でるピアノは、人生の春満開といった感じだった。
世の中は混沌としてきたけど、自然の営みは悠久の流れの中を
さらさらと、たださらさらと流れていく。

今日は木曾から般若君がやってくる。明日から水曜日まで、「4人の素材展」
を天真庵でやる。また天真庵がにぎやかな一週間を迎える。 感謝。




春霞?

2009-04-01 06:27:17 | Weblog
お店の中が霞がかっている。
ぼやでも、ぼやいているのでもない。
毎朝、コーヒーの豆を焙煎しているので、その時は
こんな具合になる。霞の向こうに久保さんの信楽の大壷が
おいてあり、そこに満開の彼岸桜が投げ込まれている。
こんな風情の中で、「会津娘」のにごりなど飲むのも
いいものだ。
音楽は、赤松林太郎君のスカルラッティーあたりがいい。

今日の7時から、錦糸町の「すみだトリフォニーホール」で
赤松林太郎ピアノリサイタルがある。お店は5時に閉店します。
昨日退院したばかりの、かっぽれの相棒から電話があり
「明日いく」とのこと。かっぽれと呼吸法で心身を鍛えて
いる証?か。「どたさん」も熱烈歓迎。7時めざして、錦糸町に
おいで!当日券4000円也。

わかも、元気に毎日仕事をしている。
心配した肺の影も、どうやら消えたらしい。
「気」がはいると、雲もけせるし、ガンも消せる。

人生いろいろなことがあるけど、「いろいろあるから人生おもしろい」
と前向きになって、歩いていきたいものだ。