長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

いい仕事をしている骨董をゲット!

2014-03-14 08:23:07 | Weblog

今、NHKFMでブラームスのクラリナットソナタがかかっている。

昨日は一日雨で、スニーカから水が入ってきたりして気持ち悪かったけど、今朝

は元気に蕎麦が打てた。先週は締まっていたけど、二日続けて、葵という卵焼きの名店に行った後、

二週続けて、大塚の骨董屋におじゃました。

幸運にもお店はあいていたけど、主人が変わっていて、中国人になっていた。「ニーハオ」と

挨拶し、名刺を交換して、めぶりてぶり、口三味線で、コミュニケーションをする。このお店は「買わないか?」

と前の主人言われていたので、金額も知っているけど、この中国人っがポンと買ったらしい。やはり今はあちらの方が金持ちだ。

上海に二店舗の骨董屋を営んでいるらしく、三店舗が日本支店とあいなったしだいでござりますーる、

ということらしい。前の主人が置いていった茶道具も若干残っているけど、ほとんどが中国製の

ものだ。煎茶の世界では、中国からきた骨董の茶器を「わたり」といって珍重している。玉石混合で

混沌としているのが、おもしろい。前の主人が置いていった錫の茶托に「50000円」という金額が張って

あり、横の備前の炎襷(ひだすき)の湯ざましが「500円」となっていた。

「茶托は10000円で、このゆざましは5000円」という感じじゃないの?というと、

「上海では、錫の茶托が高く売れている」とのこと。「じゃ、やまほど持っているので、こんど売りにくるよ」

と半分冗談で言ったら、「ギンビンはありませんか?」と真顔で尋ねてきた。「おせっかいだけど、骨董屋

というのは、ポーカフェイスでないとあかんよ、興奮しすぎ。。」というと笑っている。たぶん海千山千の骨董世界で

正直に生きてきた人なんだろう。丁寧に中国茶を外碗に入れてふるまってくれた。飲みながら、「ギンビンなんかか

上海では売れるのですが、持ってませんか?」と聴かれる。ギンビンというのは、銀でできた茶器。

「金の玉ならふたつ持っているのですが」と答えたら、話が通じてまた噴き出している。

京焼きの水注の値段を聞いたら「5000円でどうですか?」というので、これもケタがひとつ少ない気

がしたけ(京焼きで有名作家のもの)ど、大きな声で「よし買った」といって、包んでもらった。おまけに、備前の湯ざましを

「これ、プレゼント・・」というので、「男からプレゼントいうのはおかしい。オ・マ・ケ、といいます」

と押して煎茶の教室にいく。釈迦に説法みたいな話ではあるが、日本のことを少し伝授しただけで、ずいぶん

特をした。でも日本の国力が衰退している現実を、大塚の小さな骨董屋で実感する。