長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ソフトバンク新書 この本はいい!

2012-06-16 08:34:53 | Weblog
ソフトバンクの創業期は、「日本ソフトバンク」といっていた。
四番町時代までは、出版部といっしょのフロアーで仕事をしていた。
一年だけ在籍して、仕事をしていた時期がある。♪ああ、それも青春?
名物編集長(みんなは、酋長、と呼んでいた)がいて、編集部の一角には
畳がしかれていて、そこでよく編集会議と称して、飲んだ。酒を・・

今は昔、だが、そんな古巣のソフトバンクの新書「東京レスタウロウ 歴史を活かす建築再生」(民岡順朗著)に、
天真庵とspice cafeが紹介された。
最近、リノベーション、という言葉がはやっている。なんか、作為が見え見えでマスターベーションみたいな軽い感じがしてきらいだ。
リノベーションとレスタウロウというのは、似ているけど非なるもの。この本を読めばよくわかる。
2006年に、陶芸家の升たかさんとspice cafeにカレーを食べにいった。蔦のからまるチェペルではないけど、昭和そのまんま
のアパートを、時代の呼吸そのものを活かしてカフェをやっている姿に、不整脈がおきるくらい感動して、チキンカレーをむさぼり
喰った。帰りに、蔦はからまっていないけど、ボスの自動販売機6台にからまれた、いや、かくされた古色蒼然とした建物を発見。
池袋でITの会社と、画廊と、IT企業団体の理事長をやっている現実を忘れて、「ひとめぼれ」した。そして、縁あって、この物件を
世界的な建築家の白井さんに見せ、いろいろアドバイスをいただき、若い建築家(もう今は若くない)中西くんを中心にして、古いまま、
あまり手を加えなくて、再生した。bunkanも、同じようなコンセプトでできた。

今日のTBSの午0時から「アジアン・エース」という番組で、spice cafeが紹介される。かなり時間をかけて最近収録していた。

スカイツリーができて、あたりまえだけど、押上や界隈がいろいろな雑誌やテレビで紹介されたりする。
でも浮ついたトレンドを追っていても、右往左往するばかりだし、浮ついた時代の波に飲みこまれる。
月曜日に「NPO日本再生なんじゃら」の人たちと、スカイツリーに登り、その後、ぼくが一時間講演して、
長屋の街を案内し、spice cafeの前を通り、天真庵についた。「これが、タワーができる前からの文花的なゴールデン梯子」
だと説明したら、なんとなく納得されていたみたい。
これから、「村おこし」や「街おこし」がきっと盛んにならないと、日本は再生されないと思う。
でも、「流行りのもの」とか「リトル東京」みたいなものをつくっても、「魂」がはいっていない。その土地土地
の地縛霊たちと相談しながら、「その土地にふさわしい」「界隈性を大事にした」ものを、時間をかけてつくっていく
べきだと思う。でも「芸術」というのは、瞬間的に人と人をつなぐものなので、できたら、「芸術性」をはこの中に
いれていくと、人と人の「魂」が繋がっていくと思う。