天然居士の独り言

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当日告知・・・

2024年04月16日 18時52分32秒 | 日記
 死刑執行を、死刑囚に当日1~2時間前に告知するのは
 憲法違反だなどとして、
 確定死刑囚2人が国に対し賠償などを求めていた裁判で、
 大阪地裁は昨日、
 「死刑執行の運用の一部だけを取り出して今回のような請求をすることは、
  確定した刑事判決を無意味にするもので許されない」などとして、
 死刑囚側の訴えを全面的に退けました。

 判決文の全文を読んだ訳ではないのですが、
 現行の死刑執行の不備を無理矢理認めるような論理のように感じました。
 判決では、 判決は、執行方法をめぐる過去の民事裁判で
 「実質的に刑事裁判の判決の取り消しを求めるもので許されない」とした、
 1961年の最高裁判例を踏襲して、
 当日告知の執行を受け入れないことは、
 「死刑執行を許さないという効果を生じさせる」と
 指摘しているとの事です。
 しかし、原告の訴えは、当日告知の妥当性にある訳で、
 この点に答えてはいないような感じがします。

 マスコミの報道でも、いつまで行われていたのか明確ではないのですが、
 昭和50年代位までは、前日以前の告知が行われた例があり、
 国もその事実は認めていますが、
 いつ・どのような理由で「当日告知」になったかの詳細は
 明らかにしていません。
 前日に告知した死刑囚が自殺した事が原因で当日告知になったようですが、
 死刑囚が自殺してしまうと、
 拘置所の管理体制などの責任問題になるのを恐れて、
 当日告知にしてしまったような印象があり、
 これが大阪地裁の判決の言う
 「一定の合理性」なのかなとの感じがします。

 アメリカ合衆国では、死刑制度を維持している全ての州で、
 遅くとも執行数日前の「事前告知」が行われていて、
 連邦政府が執行する場合も、遅くとも20日前に告知されています。
 これにより、死刑囚は家族との面会や遺書なども書ける訳で、
 最後の食事のリクエストも出来る事になっています。
 日本の死刑執行は年末年始を除く平日に行われますので、
 確定死刑囚は平日の朝は常に執行の恐怖におびえることになります。
 それが毎日続く訳ですから、
 死刑囚の心理的な負担は大きく、処遇上もいかがなものかと思いますし、
 当日告知は、非人間的な気がしています。

 いずれにしても、死刑制度を存置するから起こる問題です。
 廃止する事がベストだと思っています。
 これまで、日本は
 死刑の実態をなるべく隠そうとして来たような気がします。
 今回のような訴訟によって、
 死刑制度の問題が明らかになる事は良い事だと思います。
 この訴訟、原告は控訴の意思を示しているようですので、
 上級審で、どのような判決が出るのか、注目しています。
 
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