また映画の話ですが、
からっ風野郎と言う映画をご存知でしょうか?
1960年(昭和35年)3月23日公開の日本映画で、
監督は増村保造、製作は大映です。
この映画、主演が誰かと言うのがポイントなのですが、
主演は作家の三島由紀夫で、三島が映画俳優として初主演した作品です。
先日、何か面白い映画を探していた時に、
映画のスチール写真に三島由紀夫の顔があるのを見付けました。
そして、三島が主役の「からっ風野郎」を知った次第です。
映画のあらすじは、
傾きかけた落ち目な組の二代目ヤクザが、
敵対する組の殺し屋に命を狙われる中、
惚れた女の一途な純情に打たれ、
堅気になろうとした矢先に殺されてしまうというものです。
三島の演技は、酷いものでした。
よくこれで主役になったなぁと思いました。
この頃から三島は、鍛えた肉体が自慢だったのかも知れません。
何度か上半身裸の場面がありました。
余りの大根役者ぶりに、途中で観るのを止めようかとも思いましたが、
脇役に、若尾文子さん、船越英二、志村喬、川崎敬三、水谷良重、根上淳、
神山繁、浜村純などの顔ぶれが揃っていました。
特に僕は若尾文子さんが好きなので、若尾さんを観ていた感じでした。
それと、1960年頃の東京の風景ですね。
僕は小学生でしたから、それほど東京に行った訳ではありませんが、
戦後間もない頃の町並みを観ていました。
タクシーの初乗り運賃が60円だったようです。
僕は、恥ずかしながら、三島の作品を読んだ事がありません。
三島が、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地内東部方面総監部で割腹自殺したのは、
1970年(昭和45年)11月25日でしたが、
この日、僕は高校3年生で、校内マラソン大会の日でした。
その頃の論評で、三島がガチガチの右翼だと分かりました。
また、学生時代、小説家の山口瞳が寿司屋で三島を見掛けて、
トロきり頼まないのを見て、
寿司屋が困る事が分からないのかと書いていた事もあり、
読む気にならずに今日まで来ましたが、
「からっ風野郎」を観て、更に読む気にならなくなりました。