天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

汚れた顔の天使・・・

2010年08月28日 20時32分00秒 | 日記
 昨夜は、ある課に招かれての酒飲みでした。
 若い女性もいて、結構楽しい酒飲みになりました。

 昨日、法務省は東京拘置所の死刑執行施設をマスコミに公開しました。
 昨日から報道されていますから、ご覧になった方も多いかと思います。
 意外と明るい部屋だったのが印象に残ります。
 それだけに余計、死刑の陰惨な感じが出るような気がしました。
 踏み板を外すボタンは、やはり3個ありました。
 刑務官の心理的な負担を減らすための措置です。

 何の罪も犯していない人は、無関係と思われるかも知れませんが、
 実は冤罪によって死刑判決を受ける可能性は誰にでもあります。
 また歴史が示す通り、政治的な理由で処刑された人も数多くいます。
 僕は、国家が合法的に行う殺人を止めない限り、
 人の命を大切にする社会的な風潮は形成されないような気がしています。

 かつて、「汚れた顔の天使」と言う映画を観たことがあります。
 調べてみたら、1938年の映画なのですね。
 ギャング映画の俳優として有名だった、
 ジェームズ・ギャグニーが主演した映画です。
 ギャグニー扮するロッキー・サリバンは、有名なギャングで、
 多くの不良少年の憧れの的でした。
 サリバンが逮捕され、死刑が執行される事になりますが、
 前の日に、かつての友人だった牧師が彼の元を訪れ、
 死を恐れて泣きわめき、臆病者のふりをして欲しい、と伝えます。
 不良少年たちがサリバンを偶像視しなくなるからと言うのが理由でしたが、
 サリバンはそれを拒み、何ものに屈しない強い姿のまま死ぬと言います。
 いよいよ電気椅子の前に連行されたサリバンは最期の一瞬で豹変します。
 死を恐れ処刑から逃れようとする臆病な姿を晒します。
 当時のアメリカでは、処刑はマスコミなどに公開されていました。
 その最期を聞いた少年たちはサリバンに失望し、
 牧師によって更正する事が暗示されて、
 映画は終わったと記憶しています。

 死刑執行施設の公開のニュースを見ながら、そんな事を思い出していました。
 かつては、執行は前日に言い渡されていましたが、
 言い渡し直後に自殺した人がいたため、現在は当日の朝宣告されます。
 このため、肉親等との別れもできずに、死亡する事になります。
 また、死刑囚は、毎朝執行が行われるのではないかと怯え、
 一定の時間が過ぎるまでは、
 極度の緊張を強いられると何かの本で読みました。

 現在の絞首刑は、縊死と言う事になりますが、
 落下した後数分から十数分程度は死亡しない事もあるようですし、
 多くが失禁・脱糞するとも言われていて、
 人間としての尊厳を冒すもののような気がします。

 今回の公開、まだまだ不十分だとの声もありますが、
 これによって、死刑制度についての議論が活発になり、
 なるべく早く廃止される事を期待しています。
コメント
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