■Faiq, Said (2007) Trans-lated: Translation and Cultural Manipulation (University Press of America) というこの本、ごらんのように明らかに形が変だ。著者はタイトルのハイフンについては、「翻訳につきまとう操作と、それが引き起こす亀裂を示す」ためにわざとそうしたと言っているが、本の形については何も書いていない。この本のメインテーマである優位にある文化と劣位にある文化の間の翻訳の歪みを象徴するための変形断裁(型抜き?)なのか、それともただの断裁の失敗なのか分からない。見開きにしたときどうなるかというと、文字列(行)は水平だが、左右の余白は下に行くほど狭くなり、上の余白は中央に近づくほど広くなり、逆に下の余白は外側に行くほど広くなる。なんとも不思議な感じだ。ついでに背文字もない。中身はまあポスト・コロニアル翻訳論なのだが、native-foreigner(フランス語で書くアラブ人)の作品について、そのアラビア語への翻訳をpseudo-translationとしている点は目新しい。しかし、この種の議論はプロレタリア文学みたいになって、どうもなあ。
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