お知らせ
■来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。
■『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。
■『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。
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Facebookはこちらです。
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■Peter NewmarkのAbout TranslationやApproches to Translationは翻訳研究の何たるかもよく知らない頃に読んだ本だ。NewmarkはNidaのように学的な記述の仕方はせず、時には断章のような文章になったり、規範的な物言いになったりもするが、決して空論に陥ることなく、つねに翻訳の理論と実務をよく見据えていた。(ちなみにNidaは日本ではなぜかえらく有名だが、一般にはその影響力は聖書翻訳の周辺に限られる。)翻訳理論上の問題にぶつかるたびに、Newmarkはこれについて何と言っていたろうかと、折りに触れ読み返すのだ。今日もパラパラ見ているとこんな文章を見つけた。
...but in principle I prefer literal translation of thematic structure to literal translation (or even literal approximation) of lexicogrammar in expressive and persuasive texts. In informative texts, where the pragmatic factor is less important, the lexis, i.e. the close description of objects and processes, is more important than the reproduction of the themattic structure. (121)
「…しかし私は原則的に、表現や説得が重要なテキストの場合には主題構造の直訳の方が、語彙と文法の直訳(あるいは直訳的近似)よりも重要であると思う。情報が中心になるテキストの場合は、語用論的要素の重要性が薄れるから、語彙すなわち対象と過程にぴったりと寄り添うように記述することが、主題構造の再現よりも重要になる。」
この短い記述の中にも、長大な論文に発展する萌芽とヒントが埋め込まれている。
■『翻訳研究への招待』2号の原稿が徐々に集まりつつある。すでに6本。これに僕の原稿、Sさんの博論をもとにした長い論文、Yさん、Nさん、Kさん、もうひとりのKさんの原稿が来ればそれだけで12本となる。実はもう1本入る予定だったのだが、PCの事故でデータが消えてしまったという。返す返すも残念だが、まあ次回ということで。昨年は8本だったから、文字通り厚みも増す。日本の翻訳研究の水準を確実に押し上げる内容になると思う。