多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

オピニオン’09 野口喜代美さん /滋賀

2009-04-06 11:19:02 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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オピニオン’09 野口喜代美さん /滋賀
 ◇外国人労働者に救いの手--しが外国籍住民支援ネットワーク代表・野口喜代美さん(56)=甲賀市

 県内には関西最多の約1万4000人のブラジル人が住むが、その多くは非正規労働者だ。中には、世界的な景気悪化の影響で派遣切りなどに遭い仕事を失う人も多い。影響は子どもにまで及び、親の失業で学費を払えず通学できないケースも目立っている。一方で、支援の動きも広がり始めた。1月には、県国際交流推進協議会などでつくる「しが外国籍住民支援ネットワーク」が発足。加盟は2日現在31団体で、募金活動をはじめ具体的な支援に取り組んでいる。同協議会会長でネットワーク代表の野口喜代美さん(56)に活動内容や思いを聞いた。【金志尚】
 ◇募金や日本語の指導

 --外国人労働者は厳しい状況に置かれている。

 ある大きな企業で、ブラジル人やフィリピン人が1月末から3回に分けて全員解雇されると聞きました。身の回りで大変なことが起きていると実感しました。ネットワークに相談に来る外国人には、「住む家がない」「仕事を失った」「食べるものがない」など最低限必要なことが満たされていない人が多い。日本語を話せないのが再雇用への壁となっています。

 --ネットワークの役割は?

 外国人労働者と行政、あるいは外国人労働者と企業といった、両者間の“すき間”をつないでいくこと。例えば、「日本語は話せるけど仕事がない」という人を企業に紹介したりハローワークに連れていったりします。個人に対するコーディネートをしていきたいです。

 --他にはどんな取り組みを?

 募金や日本語指導などを行っています。3月7日にJR草津駅前で募金活動をし、1時間で約2万4000円が集まりました。訴えれば、大勢が振り向いてくれると感じます。また、大津市にできた「県求職者総合支援センター」とインターネットのウェブサイトを通じた連携も検討しています。実現できれば、ネットワークに来た相談者がウェブを通してセンターの通訳とやり取りすることも可能です。

 --ネットワークには多くの団体が集まっている。

 各団体のカラーを出し、役割分担して支援していくつもりです。外国人たちは「私たちのためにこんなに一生懸命やってくれて」と言ってくれます。私たちの活動が周知され始め、相談も増えています。住居支援や日本語学習支援など事業目的の一つでも担当できれば、ネットワークに参加できるので、支援の輪が広がることを願っています。

 --目標は。

 外国人労働者が不況を乗り越えられる力を一緒になって作り出していきたい。私たちが雇用を直接救うことは難しいが、「外国の人を放っておけない」という気持ちが彼らに通じるような活動をしたいです。

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 ■提言
 ◇人間として放っておけない

 どこの国の人であるかは関係ありません。ただ困っている人を助けるだけ。心を救う、「大丈夫やで」と手を差し伸べることが大事です。「人間として放っておけない」という気持ちを広めて行きたいです。

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 ■人物略歴
 ◇のぐち・きよみ

 1953年、兵庫県西脇市出身。外国人労働者の問題にかかわる一方、英語通訳、翻訳家としての顔を持つ。甲賀市国際交流協会副会長なども務める。小中学校での教師経験もある。

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