(以下、毎日新聞から転載)
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情報弱者:助けよう 災害時の外国人や障害者ら、やさしい日本語で
毎日新聞 2012年09月09日 東京朝刊
◇津波、避難…把握できず 近くの人が声かけを
東日本大震災からもうすぐ1年半。外国人や障害者たちは、言葉による避難情報などを十分に得られず「情報弱者」になってしまいがちだ。災害発生直後に外国語や手話の通訳者をそろえるのは難しい。「防災の日」の1日、被災地の仙台市で開かれた社会言語科学会では、誰にとっても伝わりやすい「やさしい日本語」を使う必要性を訴える声が相次いだ。【榊真理子】
「やさしい日本語」は、難しい言葉を言い換え、簡単な構文を使うのが特徴。「危険」は「危ない」、「警戒する」は「気をつける」と言い換えたり、水を配る時に「水をもらうことができます。お金はいりません」と言う。95年の阪神大震災で外国人の死傷者の割合が高かったのを受け、青森県の弘前大学社会言語学研究室が研究を進めてきた。
研究室では言い換えの例文などを記したポスターを作り、ホームページ(http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/index.html)で公開している。自治体や支援団体にも徐々に浸透。1日の学会で同大学の佐藤和之教授は「東日本大震災では、外国人が情報を得られない状況は避けられたのでは」と語る一方「これまではボランティアらが被災地に入るまでの72時間をしのぐことを目標にしていたが、今回は被害の範囲が広く、さらに時間がかかった。放射性物質など専門的な表現の言い換えも求められ、情報のニーズがどんどん拡大した」と、新たな課題に言及した。
学会には「情報弱者」の立場に置かれがちな外国人や聴覚障害者、知的障害者も参加。ワークショップで思いを語った。
宮城学院女子大のJ・F・モリス教授は「避難所ではトイレの場所が分からないなど、切羽詰まることが続いていた。その時に必要なのは通訳ではない。近くにいた人が、相手に分かる方法でコミュニケーションをとれることだ」と語った。
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情報弱者:助けよう 災害時の外国人や障害者ら、やさしい日本語で
毎日新聞 2012年09月09日 東京朝刊
◇津波、避難…把握できず 近くの人が声かけを
東日本大震災からもうすぐ1年半。外国人や障害者たちは、言葉による避難情報などを十分に得られず「情報弱者」になってしまいがちだ。災害発生直後に外国語や手話の通訳者をそろえるのは難しい。「防災の日」の1日、被災地の仙台市で開かれた社会言語科学会では、誰にとっても伝わりやすい「やさしい日本語」を使う必要性を訴える声が相次いだ。【榊真理子】
「やさしい日本語」は、難しい言葉を言い換え、簡単な構文を使うのが特徴。「危険」は「危ない」、「警戒する」は「気をつける」と言い換えたり、水を配る時に「水をもらうことができます。お金はいりません」と言う。95年の阪神大震災で外国人の死傷者の割合が高かったのを受け、青森県の弘前大学社会言語学研究室が研究を進めてきた。
研究室では言い換えの例文などを記したポスターを作り、ホームページ(http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/index.html)で公開している。自治体や支援団体にも徐々に浸透。1日の学会で同大学の佐藤和之教授は「東日本大震災では、外国人が情報を得られない状況は避けられたのでは」と語る一方「これまではボランティアらが被災地に入るまでの72時間をしのぐことを目標にしていたが、今回は被害の範囲が広く、さらに時間がかかった。放射性物質など専門的な表現の言い換えも求められ、情報のニーズがどんどん拡大した」と、新たな課題に言及した。
学会には「情報弱者」の立場に置かれがちな外国人や聴覚障害者、知的障害者も参加。ワークショップで思いを語った。
宮城学院女子大のJ・F・モリス教授は「避難所ではトイレの場所が分からないなど、切羽詰まることが続いていた。その時に必要なのは通訳ではない。近くにいた人が、相手に分かる方法でコミュニケーションをとれることだ」と語った。
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