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高齢化問題を抱える中国老人世代についての一考察

2010-04-26 15:05:10 | 多文化共生
(以下、Searchinaから転載)
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高齢化問題を抱える中国老人世代についての一考察
【コラム】 2010/04/26(月) 11:29
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日本経営管理教育協会が見る中国 第96回-下崎寛(日本経営管理教育協会会員)
                
北京の地下鉄でよく席を譲られる
 
  最近、北京の地下鉄に乗る機会がよくある。北京オリンピックの影響で地下鉄車体もきれいになり、昔に比べて地下鉄車内でつばを吐く者もおらず、マナーがよく清潔感がある。

  私は58歳になる。北京の社宅がある四恵東から永安里までよく地下鉄を利用するが、午前午後の混雑していないときは、中国人の20代(いわゆる「90後」の年代)の青少年から席が空いているにも関わらず、スッと席を勧められることが多々ある。日本の東京では考えられないことである。だが、上海では席を譲られたことはまだない。

中国は儒教の国

  社員の中国人に聞いてみると「中国も儒教の世界であり、老人を大切にする慣習がある。特に北京では所得が高い層が多いため、子供の躾ができているからだ」と言われた。私も年寄り扱いかなとがっかりするが、中国も儒教の国なのかと改めて見直したものだ。

  ただし、20代の青少年からしか席を譲れたことがないし、30代以上の中年又は20歳未満の子供にも席を譲られた記憶はないので、ある年代の若者の特徴かなとも考えている。

中国では50~60歳で職を離れる

  考えてみるに、現在の中国では公務員は60歳で定年となり、普通の会社では50歳で解雇となる傾向がある。最近では「一時帰休」という解雇が流行っており、中高年の働く場が失われている。北京の町では50歳以上の老人は、夏はシャツと短パンで過ごし、朝は5時頃から公園で太極拳等の体操をし、昼間は、孫の世話か自宅周辺で世間話することがしかない。

  したがって、50歳以上の老人が昼間Yシャツにネクタイを締め、通勤することは珍しい。私の場合、外国人の老人として儒教の精神で席を譲ってくれたのかなと納得することとした。

中国も高齢化が急速に進行

  中国では、現在、日本と同じように高齢化が問題となっている。

  2000年の人口統計では、60歳以上の人口は1億3000万人となっており、日本の総人口と同じ数字となっている。

  中国では「養児防老」(子供を育て、老後の不安を防ぐ)、「三・四世代同堂」(三・四世代大家族のこと)と、伝統的な家庭観があり、子供よりは老人を大切にすることが美徳であった。

  最近では、ある老婦人が自分の子供が面倒を見てくれないと裁判所に訴える事件があったように「核家族」「三人家族」が増えている。現在の中国においては少子高齢化が日本より早いスピードで進んでおり、これから国家の大きな問題となってくると予想される。

  写真は北京の朝の公園風景。(執筆者:下崎寛・日本経営管理教育協会会員 編集担当:水野陽子)

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