多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

「元不登校」のバンドが問う、厚労省「ひきこもりサポーター」制度

2013-04-04 09:40:59 | ダイバーシティ
(以下、alternaから転載)
=================================
「元不登校」のバンドが問う、厚労省「ひきこもりサポーター」制度

JERRYBEANS(ジェリービーンズ)のメンバー。左から八田典之さん、山崎史朗さん、山崎雄介さん

厚生労働省は2013年度から、ひきこもっている人がいる家庭に、元ひきこもりやその家族を「ひきこもりサポーター」として養成、派遣する事業を始めた。

ネット上では、「怖い」「だんだん強制的・懲罰的な流れになっていきそう」など、この事業を歓迎しない声も根強い。自宅訪問は、ひきこもり当事者が求めている支援なのだろうか。

そこで、滋賀県大津市で2011年11月に結成されたNPO法人マイペースプロジェクトを通じて、「JERRYBEANS」というバンドで、生きていく希望を伝えるため、音楽や講演活動をしている3人に話を聞いた。

いずれも小学生の頃から中学3年生まで不登校やひきこもりを経験した若者だ。自殺まで考えていたが、音楽を通じて仲間と出会い、生きる希望を得てきた。

ボーカル&ギターの山崎史朗さんは、一人の女子が毎日クラス全員からひどいイジメを受けていたのにもかかわらず、何もできないことに耐えられなくなり、小学校5年から学校を休み始めた。

ドラム&コーラスの山崎雄介さんは、幼稚園の頃から集団行動に馴染めず、小学生になっても朝になると体のあちこちが痛くなり、5年生で不登校になった。

ベース&コーラスの八田典之さんは、仲良しだった子がイジメられ、行動を共にするうちに自分もイジメられるのではないかという恐怖を感じて、6年生から不登校になった。

彼らの総意はこうだ。

「元当事者の声を届ける部分は賛成ですが、ひきこもりの程度や事情は人によって違うので自分の考えと近い人が来るとは限らないという懸念があります。ひきこもり本人の承諾を得るかどうかが大事ですね。親が子どもの状態を受け止めず、サポーターに丸投げなら子どもはもっと辛くなる。学校だけでなく、家にも居場所を無くす可能性もある。人を信用して自分の弱い部分をさらすには、よっぽどの勇気が必要。ですので、長い期間の支援になります」

「支援者の人が来た時、僕たちも人を信じられず、素直になれなかった。知らない人が家に来た時は『こんなに大変なことになってしまったのか』とあせったし、怖かった。『やっぱり自分はダメな人間なのだ』と思ってしまったのです」

「僕たちも自分の経験を講演やライブで話しているので、元ひきこもりにとってサポーターは自分が役に立てるチャンスでしょう。ひきこもっていることを否定するのでなく、『問題ないよ』と言ってくれれば、親の意識も変えられると思います」

(今一生)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿