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ガン治療は多かれ少なかれ賭けの様に思う

2011-12-03 21:53:34 | 医療・福祉
10日ほど前の話。イレッサの高裁判決が出た。毎日新聞は批判的。ネットをみるとどっちもあった。

一般論的には抗癌剤に副作用があるのは当たり前だし,ドラッグラグが問題なのは事実なので,こういうことは防げない(ある意味しかたない)という言い方は出来る。でもエビデンスとかに詳しい人にはイレッサ自体が延命効果があまり無い割りに早急に認可されたという話もある。個々の事象をみたら問題があったのかも知れないけど,良くわからない。ただ裁判の争点に限っていうと,判決は妥当な気もする。

自分が抗癌剤治療を受けてない事もあって,わたしは少し抗癌剤について頭で考えてるんだろうなと思う。体験があればもっと副作用の危険性や選択の切実さについてもっと感情的に理解できるだろうから,割りきれないものを感じるかも知れない。

とはいえわたしも手術を受けるときは,死ぬかも知れないという可能性をずっと考えてた。手術自体は普通の開腹,膵尾摘出だったから,その場で死ぬことは無いのだろうけど,麻酔の事故や,止血の事故などの可能性はゼロではないわけで,死ぬかもとは思っていた。入院前に自宅でみられたらまずいものを結構捨てましたから(苦笑)。わたしは小学校1年の時と2年の時にも簡単な手術をしたのだけど,全身麻酔で,麻酔に落ちていくときに,親に「このまま目が覚めないかも」と言ったらしい。子供は寝るときに恐怖を覚えるものだけど(わたしは子供の頃そうだった),麻酔という逆らえない眠気に普段よりその恐怖は強かっただろうなぁと思う。

話がそれた。いずれにせよどんな医療でもリスクがある。特に癌の場合,処置をしないと死ぬのだから,比べる方の治療もより深刻なリスクまでターゲットになる。つまり治療がうまく行かなければ死ぬということまで想定となる。うまく行けば,完治したり,延命もするのだろうから,両端の差は物凄いものになる。

そういう意味で言うと,最初の社説にある「安全」とは何なんだろう?と思う。ガンのような深刻な病気の場合安全を選ぶのではなく,助かるための賭けの様なものがわたしにはあったので。

とはいえ,「副作用ほとんどない抗がん剤」などという能天気な見出しをつける新聞を見ると,深刻に考えることを邪魔してるのはマスコミじゃないか?という気もする;-)。
コメント
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