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マンガの将来

2011-02-27 21:52:41 | 音楽・アート
漫画家の赤松氏がマンガのスキャン配信を嘆いている件。赤松氏は以前も同じことをつぶやいていた気がします。

個人的には作家にお金が入ってこない状態は,作品の質の質の低下に繋がると思うので,嘆かわしく思ってます。一方でだいぶ前からこの状況は起きていますが,解決の方向に向かっている気がしません。むしろ進んでます。嘆いているだけじゃダメなんじゃ…とも思います。

わたしは(紙の)本を読むのが好きなので,なるべく買います。気に入った作品は既に雑誌連載で読んでいても単行本を買うこともあります。わたしにとってはそれは投資だしお布施だったりしますが,こういう人が沢山いるとは思いません。こういうことをやる少数の人間の投資だけで業界が回ればいいですが,現在の規模を維持するのは無理でしょう。紙の本が無くなるのは悲しいですが,誰でも簡単にスキャン出来る紙…という媒体は本の購買をビジネスとする場合はそろそろ無理なのかも知れないな…という気がしてます。

じゃぁどうなるんでしょう?。コンテンツの違法流出が業界に打撃を与えそうになった先行者は音楽です。10年前にCDのリッピングが誰でもできるようになって急激に拡がりました。CDの売上は低下を続けて,業界は違法コピーに対して様々な異論を投げてきてますが,意外にもCDは売れてないが,著作権使用料自体は増えてるという話も聞きます。音楽の場合はパフォーマンスでお金を取る事ができるので,CDは販促と割り切り,ライブ等でお金を取るということも考えられます。著作権使用料が増えてるのは,おそらく携帯向の着歌とかiTunesとかそういうのが結構伸びてるからでしょうが,簡単にコピーできる媒体を捨てて,コピーコントロールされてる媒体に移行する…という事も考えられます。考えてみたらコンテンツがレコードや本で売られているのは,それが産まれた時,その媒体が,個人が所有できて,かつ,素人が複製できない媒体だったからでしょう。

ただこれらの考え方がそのまま本に適用できるとは思いません。今電子書籍も試みが始まってますが,本当に始まった…というレベルです。音楽が10年経ったらこうなっていた…という感じですから,本の方も10年とか経たないと分からないな…とは思います。おそらくその間に作家の淘汰も起きるし,表現の変化も起るんでしょう。音楽もミリオンセラーが無くなったり,ファンとのコミュニケーションを強化したプロモーションが増えたりとか,今でもいろいろと試みが行われてます。マンガも電子書籍じゃないと出来ない動画や音を組込んだ表現とか,スキャンしたら意味をなさないような,ページを折り曲げて立体的に表現する(思いつきで書いてます)とか,いろいろ新しい表現が産まれて来るかも知れません。

日本の視覚コンテンツの根幹を支えているのは,巨大なマンガマーケットだと私は思ってます。アニメだけじゃなくゆるキャラとかが流行るのも,日本が幼少の頃から大人までマンガに触れているからでしょう。これから産業構造が変わるかも知れませんが,いい方向に「も」伸びることを望んでます。
コメント
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