週末にあった録画していたNHK BSの海外のドキュメンタリーを見ていたら,ラマチャンドランが出てきてびっくり。丁度会社で昨日その話をしていたので…。
というわけで,その番組で取り上げていた話題はわたしが先月読んだ本とダブるので,他のところに挙げていた,その本の書評をこっちにもコピーしておきます…。というわけで…。
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ラマチャンドランというと「脳の中の幽霊」という本を以前読みました。物凄くおもしろくいろいろと勉強になりました。前著は結構前の本なのに今年になってなぜかTVとかで取り上げられていてちょっと驚いたのですが,…で今回の本…。前著が話題になったせいか,まるで続編のようなタイトルがついてますが原題はThe Emerging Mindつまり「見えてきた心のしくみ」の方が原題に近いです。
この本はあるところでした講演の書き起こしらしいです。そのせいでかなりわかりやすい内容になっていると思いますが(後述),本人が最初に述べているように概論ではなく取り上げた幾つかの事象を深く考察してるのでかなり深い内容にもなってます。
つまるところ先に書いた茂木氏の「脳と創造性」と同じように脳科学の視点から哲学的疑問について語れていて,さらにラマチャンドラン氏は臨床医師ですので,例が具体的でかなりおもしろいです。脳のある部分に障害が起きてその結果いろんな認識,特に自己の認識等に変化が起きた例を挙げていろいろ自己とかアート(人間が感じる芸術の要素の分析は芸術好き人間のわたしにとってはかなりおもしろいです)とかいろんな事を考察してます。
深くてあまり具体的にわたしは書けないので,こういうことに興味がある人は是非読んで頂きたいのですが,いずれにせよ印象的なのは,こういう思考のしくみを説き明かすことが,あたかも「本当の心」が無くなることだと思いがちな風潮があるのですが,ラマチャンドラン氏にしても先述の茂木氏にしてもしくみがわかったからといって本物じゃなくなるわけじゃない…という指向なのが強く共感を受けます。別に人間が人間の心が大事なのは神秘だからじゃなくそれ自体が真実だからです(著者は中で「心のしくみが解明されて外から観察できるようになったら,『気持ちが単なる化学反応』というのではなく『実際に起きていること』という風に捕らえられるべきだ」というようなことを書いてます)。
そういう意味じゃこの本の範囲ではありませんが,人間が物質や単なる動物だとしても人の命が尊いものであることには違いありません。科学がどうも逆のように解釈している人が増えてる気がして,そう危惧をわたしは感じます。
ちょっと話がそれましたが,とにかくおもしろいです。ひとつだけちょっと苦言を書くと元々講演を記述した割りには,ちょっとわかりにくいところがあります。これは訳の問題じゃないのかなぁ…と思うのですが…,どうなんでしょう?。
というわけで,その番組で取り上げていた話題はわたしが先月読んだ本とダブるので,他のところに挙げていた,その本の書評をこっちにもコピーしておきます…。というわけで…。
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ラマチャンドランというと「脳の中の幽霊」という本を以前読みました。物凄くおもしろくいろいろと勉強になりました。前著は結構前の本なのに今年になってなぜかTVとかで取り上げられていてちょっと驚いたのですが,…で今回の本…。前著が話題になったせいか,まるで続編のようなタイトルがついてますが原題はThe Emerging Mindつまり「見えてきた心のしくみ」の方が原題に近いです。
この本はあるところでした講演の書き起こしらしいです。そのせいでかなりわかりやすい内容になっていると思いますが(後述),本人が最初に述べているように概論ではなく取り上げた幾つかの事象を深く考察してるのでかなり深い内容にもなってます。
つまるところ先に書いた茂木氏の「脳と創造性」と同じように脳科学の視点から哲学的疑問について語れていて,さらにラマチャンドラン氏は臨床医師ですので,例が具体的でかなりおもしろいです。脳のある部分に障害が起きてその結果いろんな認識,特に自己の認識等に変化が起きた例を挙げていろいろ自己とかアート(人間が感じる芸術の要素の分析は芸術好き人間のわたしにとってはかなりおもしろいです)とかいろんな事を考察してます。
深くてあまり具体的にわたしは書けないので,こういうことに興味がある人は是非読んで頂きたいのですが,いずれにせよ印象的なのは,こういう思考のしくみを説き明かすことが,あたかも「本当の心」が無くなることだと思いがちな風潮があるのですが,ラマチャンドラン氏にしても先述の茂木氏にしてもしくみがわかったからといって本物じゃなくなるわけじゃない…という指向なのが強く共感を受けます。別に人間が人間の心が大事なのは神秘だからじゃなくそれ自体が真実だからです(著者は中で「心のしくみが解明されて外から観察できるようになったら,『気持ちが単なる化学反応』というのではなく『実際に起きていること』という風に捕らえられるべきだ」というようなことを書いてます)。
そういう意味じゃこの本の範囲ではありませんが,人間が物質や単なる動物だとしても人の命が尊いものであることには違いありません。科学がどうも逆のように解釈している人が増えてる気がして,そう危惧をわたしは感じます。
ちょっと話がそれましたが,とにかくおもしろいです。ひとつだけちょっと苦言を書くと元々講演を記述した割りには,ちょっとわかりにくいところがあります。これは訳の問題じゃないのかなぁ…と思うのですが…,どうなんでしょう?。