東京・三鷹市で鈴木沙彩さん（１８）が刃物で刺殺された事件で、亡くなった鈴木さん宅のクローゼットに隠れて電話の話し声を聴いていたなど、容疑者の執拗なストーカー状態が明らかになって来ているが、二人のきっかけがSNSから始まっていることがクローズアップされている。
Ｆａｃｅｂｏｏｋやｔｗｉｔｔｅｒ、ＬＩＮＥなどで友人を増やしたり、同好の人が交流するには大いに結構だ。しかし、2人だけの会話だと思い込んでいては失敗することがある。
極端に言えば、これらのメディアは仮想空間の会話であり、みんなが集まる公園で大声で二人が話しているようなものだと指摘する方もいる。つまり、友達の友達も通信を見ているかもしれないということを忘れないようにしないといけないということだ。
これらのメディアがない数年前までは、Ｆａｃｅｂｏｏｋで知り合い、交際に発展するなど想像もできなかったのだが、個人的に言わせていただくと、そこまでして友人が欲しいのだろうか？と疑問を抱く。
触れられたくない個人情報は自分自身できっちり守ることは、サイバー時代の鉄則だろう。特に今回の事件では若い将来のある人が巻き込まれた。
若者がＦａｃｅｂｏｏｋやｔｗｉｔｔｅｒ、ＬＩＮＥなどを始めるのは良いのだが、これらメディアの特性や怖さを十分に学んだあと初期の設定をきちんとし、“おかしい”と思ったら早目に止める勇気を持つことが必要だろう。また、サイバー空間では、電話や手紙に比べ、ことばを安易に扱ってしまう。
スマホやＰＣ依存症の人が増え、一時もそれらを手放せない世の中の状況が始まっている。所詮、コミュニケーションのツールだからどっぷり使ってしまうようにならないよう、学校や家庭での客観的、冷静な指導も必要だろう。メディアのリテラシーを徹底してから“電脳空間”に入るようなことも必要だ。
新しいストーカー防止法が施行され、報道で知る限り、警察の対応が少々甘かったのも気になる。
人生これからという若い娘の命が奪われた。鈴木さんのご冥福を祈る。
