荒川静香は、３位でメダルを射程に入れた。彼女は３位以内を「死守する」のではなく「安全圏」と意識した。
フリー演技前日の公式練習で完璧な演技を見せつけ、実力者のスルツカヤやコーエンにプレッシャーをかけた。
さらに、ルール変更も荒川には『プラス』に働いた。
ショートプログラムと公式練習で荒川に思い切りプレッシャーをかけられたスルツカヤとコーエンは、フリーではジャンプでポイントを稼ぐ必要に迫られた。
つまり、二人はルール変更を意識しすぎて失敗を恐れ、結局はともに転倒してしまった。
その、『マイナス』は、荒川にメダルをもたらした。
荒川は「完璧な演技」を披露した。
だからゴールドメダルとなった。
荒川は減点を恐れなかったからだ。
ショートプログラム、公式練習、そしてフリープログラムと、ミスを恐れることなく堂々と「勝負」に打って出た。
今回の結果が素晴らしいのはメダルを手にしたこと以上に、日本人のアスリートでも、プレッシャーやルール変更を味方につけたことである。
大舞台で最高の実力を発揮した。全てを『プラス』にし、荒川は最大の「快挙」を手中にした。
考え方はやはりプラス思考でなくては・・・ということを証明した。
