都会の電車内。始発駅からゆったりとした気分で都心に向けての電車に乗っていた。
二駅ほど過ぎて、20代後半の女性が乗車してきた。座る席はなく、立ったままでバッグから化粧道具を取り出し、ファウンデーションらしきものを顔全体に塗り始めた。??!!
やがて、私の席近くが空席となると、そこに陣取り、本格的な化粧が始めた。
この人は本来、目も二重でパッチリ大きい。しかも鼻は普通の人よりは高く、女性として恵まれている顔立ちで、そんなにどぎつい化けは必要ない。だから、今流行りの“つけまつげ”を付けてはいなかったが、アイラインを念入りに入れ始め、すこし頬紅をプラスするなどしていた。
手鏡でしっかり自身の顔を確認すると、より美しい顔が出来上がった。その時間は約15分。きれいな人だな〜とその姿にほんの数秒見入っていたら、次の駅で降りていった。
普段、カミさんの化粧するシーンはほとんど見ていないものだから、女性が“化ける”ことの楽しさを、垣間見ることを楽しんだ。
連休最終日、体育の日。この女性は仕事?それともデート?ちょっぴり詮索する私が居た。
地方都市ではあまり見かけない、都会の電車内の一コマだった。