森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

フキノトウの赤ちゃん

2023-03-09 | 日記


 冬のあいだに降り積もった雪がどんどん解けていきます。
 雪層の下部はひと冬ぶんの重みで氷結状態になっていますから、
 そう簡単には解けないと思いきや、これもじつに難なく解けだし
 てきました。
 あれほど頑強に構えていた道路脇の雪壁も、すっかりへたって
 情けない表情を見せています。
 もうこうなれば、この先多少の雪降りがあっても、解けるスピード
 のほうが早まって積もる心配はありません。
 つまり、もう春なのです。



 日当たりのよい斜面の雪が崩れ落ち、それから2~3日たって訪ねて
 みると、早速2cmほどのフキノトウの赤ちゃんが顔を出していました。
 今春の野の植物「初お目見え」です。
 長い間、雪の下で準備万端してじっと出番を待っていたのです。
 なんと、希望的なことでしょう。

 若い時から芽吹きや新緑は好きだったのですが、それがこの齢になると
 ある種の感動を覚えるようになりました。
 また、自分は小さな子供と接する機会があるので、いつもその可愛
 らしさに元気をもらっているのですが、最近はより小さな子、つまり
 赤ちゃんのような誕生して間もない人に、可愛らしさとは違う不思議な
 力強い感動を覚えるようになりました。
 なぜそうなったのかわかりません。
 誰もが年老いるとなる現象なのでしょうか。

 もしかして、これは自分自身の残り時間に関係していることなのかと
 思うのです。
 意識の下で、発芽や芽吹き、誕生や更新、などに儚くも明るい未来を
 感じているのかもしれません。

 暗いニュースばかりの毎日ですが、フキノトウの赤ちゃんがそれを
 吹き飛ばしてくれました。
 コロナも収束しそうなので、やっと開放的な春を楽しめます。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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