薄曇りの空の下、湖面に映る若葉が僅かな風に揺れて、印象派のようでした。
しばらく眺めていたのですが、突然中断されました。
ポツンと波紋がたって、せっかくの景色がグチャグチャになったのです。
「ん、雨かな?」
空を見上げて、顔に当たるのを確認したのですが、冷たいものは感じません。
「何だろう?」
良く見ると波紋の中心が動いているのです。
「アメンボかぁ」
しかたなく、ゆっくり走り過ぎるのを待ちました。
これが鳥や動物だったら、「こらぁ~」と言ったでしょう。
しかし何故か人は、アメンボやトンボには絶対に怒りません。
どうやら、得な生き物、損な生き物がいるようです。
人もまた、同じなのでしょうか。
今度は本当に降ってきました。