森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

感謝

2015-12-28 | 日記


 今年も、もうじき終わります。
 年初には、いろいろやりたいことがあって張り切っていたのですが、実際にはその
半分程しかできませんでした。残りは来年に繋げていくつもりです。
 一年を通して、それなりに充実していたし、天災もなく穏やかな良い年でした。

 こんな不便な山奥の小屋に訪れてくださった方々や、丁寧なお手紙、詩歌や写真な
どお送りくださった方々に、心より感謝いたします。

 さあ、来年はどんな年になるのでしょうか。 
 北海道駒ケ岳は活火山なので、噴火が起こらないことを絶えず願っているのですが、
それさえなければ、今のペースの仕事と、スローライフ、スローフード、ちょっと不
便でも物を持たない主義、樹木や生き物たちと親和感で繋がる生き方、こんな暮らし
が続けられそうです。 自然と森の仲間たちに感謝しています。
                                動(yurugi)

 キタキツネのコンチャン


 キタキツネのチビ


 エゾフクロウの福さん


 森猫のウシ

 
 森猫のシロ


 エゾリスのピーちゃん

                               また、来年。




 
 





 

妙なお天気

2015-12-22 | 日記


 冬至になったのに、ちょっと妙なお天気が続いています。
 今月になってから、晴れた日はほとんどなく、曇り小雨の毎日なのですが、気温
が高く雪が降らないのです。もちろん雪がないこと自体はありがたいのです。
 
 森を出て湖畔道を歩くと、例年なら湖を渡ってくる風で、顔がピリピリ突き刺さ
るような寒さなのですが、今年は全く感じません。急に面の皮が厚くなるとは思え
ないので、やはり暖かいのです。

 今日は珍しくオバチャンに会いました。オバチャンは会社の保養施設で管理人を
していて、建物の前の道で落ち葉を集めたり雪を掻いたりしているのです。
「こんにちは 今年は暖かくていいですね」と声をかける。
「そうだね 楽だね でもこんな年は一月二月が怖いよ ドカーンと大雪が来るよ」
やはり異常気象を気にしている様子、そして突然の大雪を心配しているのです。
 こんな楽な日が長く続くわけがないのだから、一度持ち上げられて落とされるの
は嫌だ、落差が大きいと余計に厳しくなる。皆同じ考えなのです。
「ではお元気で」「がんばりましょう」と別れてまた歩きます。
  
 今頃、この道を歩いているのは、オッチャンと動物ぐらいのもの、ちょっとした
会話でも嬉しくなります。真白だった道は雪がほとんど解けて、土が出ています。
湖面の氷も解け出し、凍らない所へ移動していた水鳥たちも、戻ってきました。
 報道では、エルニーニョ現象とかいっているけど、なんとも不気味な天候です。
                              動(yurugi)


冬本番

2015-12-15 | 日記


 嬉しいことに、昨日までの二日間快晴が続き、気持ちの良い日々を送りました。
その間にも気温は徐々に下がって、湖面が水深の浅い所から凍り始めました。去年
よりはかなり遅かったのですが、いよいよ冬本番です。





 鳥たちは、湖の中でも凍った場所からまだ凍らない場所へ集団で移動しています。
なんと忙しいことか、大陸を渡る大きな移動と、湖の中での小さな移動、とにかく
絶えず動き続けることを運命づけられているのですから、大変です。

 しかし、考えてみるとオッチャンとて同じようなもの。常に季節、お天気、気温
に左右される生活なのですから。ただ生き物のように、自然を上手に使えない。そ
れと明確な目的地がないから、いつも漂ってる感じがします。
 とりあえず今は、彼らを見習って、目の前にあるものに集中していこう。

 今年は暖冬らしく、今のところ極端に雪が少ないです。 そうは言ってもやはり
師走も中旬、朝晩はぐっと気温が下がりシバレル状態になります。
 気温は低くなってもいいから、雪の少ないことを願うばかりです。


                               動(yurugi)

 

 
 

おてんとうさま

2015-12-07 | 日記


 師走になってから、カラット晴れ渡った日は一日もなかったように思います。
毎日、毎日、雪か雨が降るから、当然気分も暗くなります。
 黒い雲が、白い雲に押し流されて、一瞬割れ目から日が射すと「ありがたい、
ありがたい」叫びたくなります。

 もう名前は忘れたのですが、子供の頃、浜に落ちる夕日に向かって、両手を
かざして「おてんとうさまは神様です ありがたや ありがたや」と大きな声
で叫ぶ有名なオバチャンがいました。
 近所の人たちは「ちょっとパーだからね 口を利くんじゃないよ」と言って
いました。でもその踊るような仕草が面白くて、それよりもオバチャンガ叫ぶ
と太陽がグングンと海へ沈んでいくのが不思議で、いつまでもじっと見ていま
した。
 オバチャンも気が付いていたらしく、ある時こっちを向いて手招きして「あ
んたも一緒にやりなさい」といったのです。私はビックリして、返事もせずに
家に逃げ帰ってきました。

 しかし今になってみると、あのオバチャンの気持ちが良く分かります。あの
時、言われるままに一緒にやっていたら、また違った人生、いやもっとマシな
生き方をしていたのかもしれません。



 森の雨は、天然のイルミネーション。



 こんな暗い季節に元気をくれるのが、森の生き物たちです。
                             動(yurugi)