森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

雪解け

2024-03-24 | 日記


 彼岸が明けると急に暖かくなりました。
やはり古くからいわれてきたように、彼岸が気候の切り替え点
です。
いよいよ森も本格的な雪解けシーズンの到来です。
駒ケ岳をすっぽり覆っていた雪が解けだして、数か月ぶりに山頂の
岩肌が現れ、山全体がまだら模様になっています。
駒ヶ岳に通じる小川はこの辺りに多数あります。
山の雪解け水はこの小川に溢れ、そして勢いよく大沼へ流れ
込みます。
水辺でフキノトウのういういしい姿が、たくさんみられました。
もう鳥たちの声も飛び交っていて、あゝほんとうに春がきたのだな
と実感しました。

 春先のこの希望的な光景は、もう数えきれないほど観てきましたが
その都度感動して、元気をもらっています。
これは季節の変化にというよりも、人は新しい命に触れて感化される
本能を持っているのかもしれません。
たしかに、誰もが赤ちゃんを観て笑顔になりますよね。
そして人もまた自然の一部ですから、赤ちゃんは幼年には若葉が生え、
そして花が咲き、実がなり、やがて老年に枯れていく、このごく
当たり前な自然のサイクルに従って推移するだけのことで、抗うのは
無意味なのでしょう。

 自分は今、どんどん枯れていく老年にあるのですが、とても満足
しています。
それは、人生でいちばん時間の余裕があることです。
若い時には忙しくて避けていた活動もできますし、長くて敬遠
していた分厚い本も読めます。
たまには街へでて、あるいはネットでも美術や文学を享受することも
できます。
しかし、それでもこの時季の若々しい植物たちを観ると感動と同時に
羨ましい気持ちになります。
 
 さあ、これからは人と動植物が一体となった、楽しい生活が
始まります。








 


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