森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

ソメイヨシノ終了

2024-05-03 | 日記


 今年も待望の桜の季節がやってきて、ソメイヨシノが一斉に
華やかな薄紅色の花をつけ、まるで雲海のように空間を埋め
尽くしました。
そして一週間もすると今度はドーッと一斉に散りだして、今は
なにもありません。

 このソメイヨシノの花の動きが、特に散り際の潔さが、古く
から日本人の生き方の美学とされてきました。
それ故に「サクラ散る」という言葉がたいへん意味深く、
まるで「大和魂」のように語られてきたのですが、じつは
それは大間違いなのです。

 ソメイヨシノは明治になってから、染井(駒込辺り)の
職人さんが創り出した新種でそれ以前にはなかった桜です。
江戸時代は山桜が主だったから、花はけっこう長い間咲いて
いたようです。
また江戸時代以前の歌人たちが詠んだ「吉野の桜」は
もちろん山桜ですから、ソメイヨシノとはまったく別もの
です。
どうやら、明治になってから「染井」、「吉野」のワードと
新種ソメイヨシノ花の美しさと特性を使って、ある目的の
ために上手なストーリーを作り上げた人がいたようです。
怖いですね。



 北海道では本州のように、桜の下でお花見宴会をする
人はいません。
本州ではみんながこれを楽しみにしていて、会社では
新入社員が場所取りの役割をさせられて、早い時間から
桜の木の下にシートを敷いて、ボンヤリ座っている姿を
見かけます。
こちらで花見宴会をやらない理由はよくわかりません。
たぶん北海道は冷え込むので、飲んでもあまり酔わ
ないし、またトイレも困るし、上品な人が多いせいなの
かもしれません。



 この辺りの町では桜の時期には宴会をやらない
代わりに、中央から歌手を呼んで歌謡ショーを催し
ます。
大物歌手は呼べませんが、齢にもめげずに振袖を着た
お姉さん歌手や、遠の昔の懐メロ歌手たちが登場して、
町民をいっとき夢の世界へいざなってくれます。
彼らにとっても、桜の時期の北海道はいい稼ぎ場に
なっているようです。

森では次から次へと新しい花が咲いてきて、毎朝
起きるのが楽しみになってきました。 
お天気も安定していて、過ごしやすい日々です。













 



 




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