森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

躍動

2016-04-28 | 日記


 湖畔の樹々はやわらかく芽吹いています。
 キタコブシは梢いっぱいに真っ白い花をつけて、飛び交う鳥たちも嬉しそうです。



 雪解けのあとは、去年の落ち葉がそのまま現れます。森は一瞬秋のような景色になります
が、直ぐに若草や野の花が出て、新緑が褐色を凌駕していきます。



 いよいよ耕作も始まりました。人々の生活に躍動がみなぎってきました。



 美しく楽しい季節のスタートです。                動(yurugi)

希望

2016-04-22 | 日記


 今週初めの大嵐の過ぎ去ったあとは、急に気温が上がって、そこここで緑が目につくよう
になりました。今年も新しい命が躍動しはじめたのです。



 この季節が以前にも増して感動的になったのは、やはり年老いたせいだと思うのです。誕
生とか、再生とか、復活などという言葉に、妙に反応してしまうのは、無意識の中で、はか
ない希望を感じているのかも知れません。



 ともあれ、これから一番好きな季節が始まります。


                                  動(yurugi)

雪解け水

2016-04-17 | 日記


 山にはまだ雪が残っていますが、平地はもうすっかり解けてしまいました。
 この時期、山々の雪解け水がこの川に集中して流れ込み、いつもは穏やかな川面
が激しい表情を見せています。





 この水は麓の人々の畑を潤し、原生植物に命の水を供給し、海へ届くと魚介や海
藻の栄養源となります。
 自然はなんでも与えてくれます。しかし一歩間違えると、恐ろしい力を見せつけます。
 決して地球を任せてはくれません。



 一冬ぶりにコンチャンに会いました。
 「終わったね 冬が よく頑張ったね」
 「オッチャンも元気そうだけど またひとつ老けたね」
 短い会話を交わして別れました。


                              動(yurugi)
                           




春風

2016-04-08 | 日記


 春先は強い風が吹きます。
 湖に降りてみると、海岸のように白波が立っていました。風があっても晴れてく
れれば、日中は10℃位まで上がるので寒くはありません。
 むしろ、おかげで空気が澄んで、早春の景色が遠くまでハッキリ見えます。



 道南に千メートルを超える高い山はそれほど多くはありません。そのうちの三山
がこの地に集合しています。駒ケ岳、横津岳、そして砂原岳です。それぞれ山の形
はかなり違い、気候や生態系にも大きな異差があります。また自分がそうであるよ
うにそこに生きる人々の気質や生活様式も各々個性的です。



 ここには大きい順に、大沼、小沼、じゅんさい沼、の三湖があります。やはり各
々大きな特徴があって、おかげで一年中、水と植生の変化を享受することができま
す。
 優しい三山と美しい三湖が寄り合って構成され、しかも海岸に近いこの地区は当
然、人が定住してから数々の神話の舞台になったことと想像されます。しかし今の
ところは僅かにアイヌさんの昔話があるだけで、残念ながらその前のことは何も分
かりません。
 
 近くで縄文遺跡がいくつも発見されているので、もちろんこれらは大船や三内丸
山と関連しているのでしょうから、この先に何かが出てくるかも知れません。大い
に期待しているのです。


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解氷

2016-04-01 | 日記
 山麓のこの小屋の周りには、まだかなりの雪が残っていますが、湖面を覆ってい
た氷は連日の暖かさで一気に解けてしまいました。



 優しい光が湖面の小さな波に輝き、暖かい空気が対岸の景色をボンヤリ映してい
ます。



 雪解けを待っていたかのように、ふきのとうが元気な顔を出しました。
 「自然は自分の出番を間違えずに出てくる」とは堀文子さんの言葉です。
 早速、ありがたく一個いただいて、ふき味噌を作りました。口の中にほろ苦い春
の香りが溢れました。



 広い湖の中に、絶えず水が動いている所があって、そこは真冬でも氷が張りませ
ん。水鳥たちは、冬の間その狭い場所でひしめきあって暮らしています。やっと今、
どこへでも自由に泳ぎ回って、餌をとれるようになりました。
 一番喜んでいるのは、この子たちかも知れません。



 今日から新しい季節、新しい生活が始まりました。
                             動(yurugi)