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このところ朝は曇りか雨、お昼前にちょっと晴れて青空が覗き、
午後はまた曇って降る、こんな日が続いています。
花たちは、お昼前のわずかな晴れ間の陽射しを待って、一斉に
花びらを大きく広げます。
そして、人間が近ずくと、わいわいがやがや喋りかけてきます。
なにを言ってるのか分かるわけもありませんが、雨が多すぎるとか、
急激な気候変動に対する不平不満などでしょうか。
この花たちの喋りは人間だけではなく、森に生きる動物たちにも
絶えずおこなわれているはずです。
それによって、動物たちは多くの情報を得ているのでしょう。
人間の話しかけで、植物が反応することは古くから知られて
います。
それは植物に電極をつけて発生する電気信号を測定することで
証明されています。
人が穏やかに話しかけると、緩やかなは波形を示し、怒って
怒鳴ったりすると険しい急峻な波形を表します。
ですから逆に考えて、植物から人間に話しかけていても、
なんら不思議なことはありません。
もしかしたら、人間よりもおおらかな主張をしているのかも
しれません。
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主張といえば、我々旧日本人は人前で自分の意見など
述べてはいけない、とされてきました。
つまり、じっと黙って偉い人からお話をたまわり、けして
その場の空気を乱してはいけなかったのです。
男は働いて、働いて、死んでいく。女はいっぱい子どもを
産み育てて死んでいく。
男も女も寡黙に生きるのが日本人の美徳でした。
私など、どっちかといえば場の雰囲気をあまり考えずに
喋るほうだったので、みんなにたいそう嫌われたものです。
しかし、時代が変わっても日本人のこの生き方は変わら
ないようです。
たまになにかの集まりに行くのですが、今の若い人でさえ
自分の意見をハッキリ言いません。
長い間の習慣は、簡単には変わらないということでしょうか。
というより、このまま人前で目立たずに人生を終えたほうが
賢いと考えるのでしょうか。
あるいは、なにも考えていないのでしょうか。
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自然の中を歩いていると、出会った花たちの主張が聞こえ
るような気がして、暫くその場に立ち止まってしまいます。
森の山桜も、もう明日にでも開花しそうな気配です
楽しい植物との会話は、これからも続いていきます。
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