森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

クマがでた

2023-06-28 | 日記


 6月も残すところ2日となりました。
 森はあいかわらず曇り空が続いています。
 北海道では去年あたりから、クマが人間居住エリアへ出没するように
 なり、今年になってからはほぼ毎日どこかで目撃されています。
 そんな中、とうとうこの森にも現れたのです。
 森の入口付近でクマのフンが見つかりました。
 さっそく、役場の人がやって来て電柱に真っ赤な「クマ出没!危険!」
 の看板をかけていきました。
 防災無線でも「早朝や夕方は外出をしないように!」と流しています。
 いつも早朝散歩が楽しみだった自分としてはたいへん残念ですが、最後
 はクマにやられて死にたくないので、暑いのを我慢して日中に歩く
 ようにしました。
 今月初めには近くの大沼キャンプ場にもクマが出て、それ以来閉鎖
 されています。
 来月には子どもたちが待ちに待った夏休みが始まります。
 でもこの調子じゃ、たぶん閉鎖解除は無理でしょう。
 今年は子どもたちはかわいそうですね。
 というより、もしかしたら、この先ずっと開かないかもしれません。



 もともと北海道の山にはヒグマがうようよいたけれど、ヒグマと
 人はうまく棲み分けしていました。
 ですから、人が山菜取りなどで、ヒグマエリアに入った時などに被害に
 あうことはありましたが、それほど頻繁にはおこりませんでした。
 本来ヒグマは夜行性でしかも臆病な性質なので、物音を察知すると自分
 から先に逃げていきます。
 人とクマが予期せずバッタリ出くわした時がいちばん危険です。
 しかし、今や日中学校の敷地内でも目撃されるのですから、まったく
 異常事態です。
 
 お偉い先生たちはこの事態については、「原因不明」としています。
 ただいえることは、個体数がかなり増えているのではないか、また
 狩猟者が減っていることで駆除数が減少している、などをあげて
 おられます。
 結論として、クマのことはクマにしかわからないとのことです。

 今や北海道の人口減少は激しく、この辺りでも廃村や廃集落、はては
 廃温泉まであります。
 クマたちはこんなところで人間社会を学習しているのではないで
 しょうか。温泉につかりながら。
 その結果、怖がらずに人里に降りてくるようになった、と考えたり
 します。
 人間は急激に減っている。クマはどんどん増えている。
 いや、クマだけではなく、シカもずいぶん増えています。
 しかも昔はいなかった、タヌキも見るようになりました。
 かつて彼らの自然を侵略した人間が、種を存続できずに集落を捨てて
 逃げ戻るという逆転現象がおこっています。
 いよいよ、自然の反撃が始まったのでしょうか。

 それにしても、これからさらに気温は上がるから、昼間の歩きは
 危険になります。
 早朝の涼しい時間に歩くか、暑い日中にするか、どちらも危険が
 ともないます。  
 かといってじっとしていては、足腰が弱ってしまいます。
 いろいろ悩むのも身体に悪いし、結局クマに負けそうです。



 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

明日は夏至

2023-06-20 | 日記


 この2日間、嬉しいことに晴れ日が続いています。
 日中は気温がグングン上昇して、ちょっと動くとシャツ1枚でも
 汗ばむほどです。
 やっと夏らしい夏が感じられます。
 予報では明日も晴れとなっていますが、道南特有の蝦夷梅雨なる
 ものはまだ明けるとは思えません。
 東北地方の梅雨明けが7月の20日過ぎですから、ここも来月の
 初めごろまではぐずついたお天気が続くのでしょう。
 この2~3日は中休みといったところでしょうか。



 早いもので明日はもう夏至です。
 ということは、明後日から日が短くなるってことです。
 ちょっと早すぎるし、なにか淋しいですね。
 
 夏至は冬至と違って、この日に特別に食べるものはないようです。
 農業者は梅雨の間に田植えを終了しなければならないので、
 忙しくてそれどころではないのでしょう。
 ただし、関西では田植えが一段落した半夏生(はんげしょう7月2日)
 にタコを食べます。
 なぜかというと、作物がタコの足のように大地にしっかり根を張って
 成長するように、との願いを込めているからです。
 そんな初夏の縁起物のタコは、タコ焼きが発明されてから、大阪の
 一大食文化となりました。



 もともと大阪湾から淡路島や播磨灘一帯は、タコが好む砂まじりの
 海底が広がっていて、タコの生育に適した海です。
 それは今でもこの地域で、豊漁が続いていることでわかります。
 すでに弥生時代の遺跡からタコ漁のためのタコツボが出土している
 そうで、そうとう古くから食べられていたようです。
 魚と違って茹でると日持ちがするため、京都や和歌山などにも
 運べたそうです。
 それにしても、最初にタコを食べた人はかなり勇気があったので
 しょうね。
 女の人かもしれません。

 ちなみに、関西圏の年間タコ食べ量はダントツ日本一だそうです。
 もちろんタコ焼き文化が影響しているからです。
 たしかに大阪のタコ焼きはだんぜん美味です。
 お好み焼もそうですが、粉文化に関しては他県を圧倒するものが 
 あります。
 やはり古代から続く伝統なのでしょうか。
 単に食いしん坊なのでしょうか。

 北海道は今がいちばん過ごしやすい時季です。
 旧盆までの短い夏を楽しみましょう。



 

 
 

 

 
 
 
 
 

 

廃駅、廃線、大丈夫

2023-06-12 | 日記


 最寄りの駅、といっても徒歩で40分はかかった「銚子口駅」が
 なくなって何年もたちます。
 駅のホームも無くなり、当時の名残を感じるものは何もありません。
 ただ、単線が二股に分かれているので、ここになにかがあった
 ことだけはわかります。
 ただし、廃線ではなく廃駅なので、まだ日に何本かの列車は走って
 います。
 その証拠に線路の表面が光っています。
 当然、線路の保守や雑草取りはおこなわれているので、それほど
 寂れた風景ではありません。

 しかし、数年後にはいよいよ廃線になることが決定しているので、
 そうしたら草ぼうぼうになって、線路も埋まって見えなくなって
 しまうのでしょうね。
 よくある廃線風景のように。

 現在の全国の駅数は、9千駅を超えるそうです。
 しかしその数は年々減少していて、去年1年間だけでも廃駅は59駅
 もあり、そのうちの30駅が北海道だそうです。
 北海道は多くの炭鉱に係わる人々の移動と、採掘された石炭運搬
 のために、道内に網の目のように線路が敷かれていたから、炭鉱が
 無くなった今は廃線もしかたがないのでしょう。
 しかし、日本が欧米と肩を並べるだけに成長できたのも、この線路
 と炭鉱従事者のご苦労があったからこそと言っても過言ではありません。
 ありがたいことです。


 
 廃駅や廃線の最大の原因は地域の人口減少です。
 国が発表した人口推計が話題になっています。
 2070年に8700万人になるとのことですが、これは出生率が
 1.36(現在1.26)まで上がって、毎年外国人が17万人
 定住してくれることが前提になっています。
 どう考えても、かなり甘い数字としか思えません。
 希望を含めているのでしょう、
 
 一方、北海道は10年連続で人口減少数が日本一になっていました。
 2045年には400万人になるそうですが、これも大甘な数字
 なのでしょう。

 しかし人口減少はデメリットばかりではありません。
 メリットの部分も書かれています。
 空気が良くなる、土地が安くなる、食料自給率が上がる、エネルギー
 の輸入が減少する、労働力が減ったぶんロボットが働いてくれる、
 などです。
 どうやら心配は無用のようです、
 ただそれを確かめることはできませんが。

 相変わらずハッキリしないお天気が続いています。
 こうも長いと気持ちが塞いできます。
 野花を観て元気をもらいましょう。


 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

みなづき

2023-06-04 | 日記


 相変わらず降ったり止んだりの暗いお天気が続いています。
 台風の影響なのか、昨日はこの地区に雷注意報がでていました。
 さらに、すぐ近くにクマのふんが見つかったことで、「クマ注意報」
 なるものもでました。早朝や夜間は外出自粛です。
 今年はクマの動きがたいへん活発で、札幌の小学校の敷地内にも
 現れていますから子供たちが心配です。
 
 あっという間に六月、夏に入りました。
 台風が来てもおかしくない時季です。
 毎日よく降るのに「水無月みなづき」とは、どういうことですか?
 なんて考えてしまいますが、その昔は「水の月」といった意味合い
 だったようです。
 十月の「神無月かんなづき」を出雲では「神在月かみありづき」と
 いいますが、それとは少し違いますね。
 それにしても「水無月」「神無月」なんて、なんと風情のある
 表現なのでしょうか。
 昔の日本人の繊細で情緒的な心を感じます。



 松尾芭蕉は数多くの夏の名句を残しています。
 中でも、自分がいちばん好きなのがこれです。
    
     朝顔に我は飯食う男哉   芭蕉

 芭蕉がこの句を詠んだのは三十九歳のときです。
 まだ「おくの細道」へ出る前です。
 今の年齢にすれば六十歳を過ぎていると思われますが、
 そんなオッサンが朝顔を眺めながら飯を食らっている。
 ただそれだけのことなのですが、なぜか心に染みるのです。
 たぶん今の若い人たちの俳句、短歌ブームの中にあっては
 「こんなことが句になるんですか」といったところでしょう。
 
 芭蕉はさまざまな思いを込めて詠んだらしいのですが、
 とにかく老人がボーッと外を向いて朝飯を食っている後ろ姿が
 自分に重なってきます。
 しかしそれが、けしてさびしくはないのです。
 いろいろな絵が連続的に浮かび上がってきます。
 芭蕉はこのあと十年ほど生きますが、この間に多くの名句と
 紀行文を残しています。
 
 六月六日は芒種、十一日はいよいよ入梅です。
 まだまだ、このぐずついたお天気は続きそうです。