森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

歳の瀬

2017-12-27 | 日記


 今年も残すところ四日となりました。
 冬至が過ぎたばかりなのに、日中が急に長くなったように思えるのが可笑しいです。

 宮沢賢治さんは生涯に一冊だけ詩集をだしています。その『春と修羅』の中に次のような
一節があります。(P259)

 室蘭通ひの汽船には
 二つの赤い灯がともり
 東の天末は濁った孔雀石の縞
 黒く立つものは樺の木と楊の木
 駒ケ岳駒ケ岳
 暗い金属の雲をかぶって立ってゐる
 そのまつくらな雲のなかに
 とし子がかくされてゐるかもしれない

 明け方に室蘭から函館へ向かう二等席の窓に、駒ケ岳が徐々に大きく映し出されていった時、
亡くした妹を深く追悼しています。
 確かに駒ケ岳にはそれを感じさせる何かがあります。しかし『ユーカラ』には山伝説や山岳
信仰は見当たらないし、この辺りの民話にも駒ケ岳を神山、霊山としたものはありません。
 でも同じ感慨を持った人々は、古くから大勢いたのではないかと、自分は信じています。


 
 森の夕日は見る見るうちにスゥ~と落ちていきます。
 残り四日もまた、あれよあれよと過ぎていくのでしょうか。

 森の中で暮らしていても、里に出ると多くの方々のお世話になります。
 その一人々のお顔を思い浮かべながらこの一年を終わります。

 さあ、来週はもう新年です。良い歳を迎える準備をしましょう。


                               動(yurugi)
 
 
 

 

    

根雪

2017-12-17 | 日記


 十二月も半ばを過ぎました。
 もう日が差しても、最高気温がプラスになることはありません。
 だからしっかりと根雪になって、来年の四月までこの雪たちとお付き合いです。



 それでも山を下って湖畔道に出ると、道はいつでも整備されているから、生活にはなん
ら支障はありません。むしろ車が少なくなり、観光客の自転車も来なくなるのでせいせい
した気分になります。



 さあ、今年はどんな冬なのだろう。「寒いけれども雪は少ない」などと勝手に都合のい
い予報をたてています。


                              動(yurugi)

冬空

2017-12-10 | 日記


 地上が白一色になってしまうと、人は知らずのうちに空に色を求めていくようです。
 確かに北国の冬空は、草木染のような淡い優しい色彩で溢れています。

 冬の太陽と雲とがコラボして、さまざまな表情を見せてくれます。



 全面凍結直前の湖と光。

 冬至に向かう師走の十日、久しぶりに朝日が出ました。「ぼんやりしていては勿体ない」
そんな気分になったり、「どうせ晴は一日中続かないのだから、短い時間を陽を浴びていよ
う」と思ったり「いや、迷っているうちに雲がきたらどうしょう」などとあれこれ考えた結
果、溜まっていたものを洗濯することにしました。


                                動(yurugi)